日本人アーティストが『インサイド・ヘッド2』キャラクターデザイン秘話を大公開!「この子のデザインは一番苦労しました」
「イイナーのデザインはいちばん苦労しました」
では今回、『インサイド・ヘッド2』で村山が手掛けたキャラクターについて聞いていこう。
■いつでも周りの誰かをうらやんでいる、イイナー
まず、イイナー。周囲の誰かに“うらやましい”と嫉妬してしまう感情だ。「イイナーのデザインはいちばん苦労しました。そもそも“嫉妬”という感情は、かわいくないですよね?何度も監督やプロダクションデザイナーと話し合い、“雨に濡れた子犬みたいなイメージは?”とアイデアがひらめきました。そこから何十回も試作を重ね、いまのイイナーが生まれました」。
■恥ずかしさMAXになると顔を隠す、ハズカシ
続いて、ハズカシ。常にモジモジして顔を隠したりする。「イイナーに比べるとスムーズなプロセスでした。監督のなかで『ほかの感情たちのなかでもいちばん大柄。フードを被っている』というイメージはできあがっていました。ただ、“恥ずかしい”という感情のポイントは人それぞれ。“怖い”“驚いた”という表情とも似通っています。どういう時に、どんな恥ずかしい気分になるかをリサーチし、デザインを完成させました」。
■日本のエッセンスが取り入れられた、ランス・スラッシュブレード
さらに感情たち以外では、主人公のライリーが密かに恋心を抱くゲーム内のキャラクター、ランス・スラッシュブレードのデザインも手掛けた。「最も楽しく描いたキャラクターです(笑)。デザインを始める際にチーム内のオタク女子とオタク男子に集まってもらい、それぞれの“夢のボーイフレンド”を描いてもらいました。そのエレメンツを合体させたのがランスです。結果的にみんなが大好きなキャラクターが完成しました。プロダクションデザイナーから『なぜランスは片手だけ包帯を巻いているの?』と聞かれたんですが、『日本のゲームキャラは、そういうものだから!』と押し切ったり(笑)。3D化のモデル担当と『肩パットを強調しよう』と提案した時は、さすがに監督に却下されましたけど、とにかく楽しいプロセスでした」。
アニメーションの表現でよく話題になるのは、日本とアメリカでの“かわいい”という感覚の違い。しかし日本生まれでアメリカで仕事をしている村山は「そこはあまり感じません。強いて言えば『セサミストリート』といったマペットの愛らしさを“かわいい”と表現する文化がアメリカには浸透しているので、そこが日本における“かわいい”という感覚とは異なるのかもしれません」という。
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