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愛する者と戦い、日本へ行き、タイムスリップも経験!『デッドプール&ウルヴァリン』へ至るウルヴァリンの足跡

コラム

愛する者と戦い、日本へ行き、タイムスリップも経験!『デッドプール&ウルヴァリン』へ至るウルヴァリンの足跡

過去編だけでなく、日本に行ったり、晩年も描かれた「ウルヴァリン」3部作

オリジナル3部作のあとにスタートしたのが、ウルヴァリンを主人公にしたスピンオフ。3本が製作されたが時間軸はバラバラで、連続性がないだけでなく設定や作風まで異なっている。ウルヴァリン3部作というよりも、それぞれがメインシリーズを補足する作りになっているのが特徴だ。

ウルヴァリンの過去が明かされるスピンオフ『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』
ウルヴァリンの過去が明かされるスピンオフ『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』[c]Everett Collection/AFLO

ウルヴァリン:X-MEN ZERO』(09)は、幼少期にミュータントとして覚醒したウルヴァリンが、ストライカーによりアダマンチウムのボディに改造され、記憶を失くすまでを描いた誕生秘話。時代設定は19世紀半ばから1980年代と100年以上にわたっている。戦場を渡り歩く傭兵時代のコンバットアクションにバイクやヘリを絡めたビークルバトル、ミュータントたちとの死闘などアクション満載。クライマックスでは、ストライカーのウェポンX計画で誕生した最強ミュータント、デッドプール(ライアン・レイノルズ)と激突する。そう、本作はデップーの実写デビュー作でもあるのだ。

ウェポンX計画で全身の骨格にアダマンチウムが結合されてしまう(『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』)
ウェポンX計画で全身の骨格にアダマンチウムが結合されてしまう(『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』)[c]Everett Collection/AFLO

ウルヴァリン:SAMURAI』(13)は『X-MEN:ファイナル ディシジョン』の後日談。太平洋戦争中に命を助けた男に招かれ、日本を訪れたウルヴァリンが、彼の治癒能力をねらう陰謀に巻き込まれる。やくざや忍者軍団との戦い、超特急でのスリリングなバトル、日本刀の使い手シンゲン(真田広之)との一騎打ち、アダマンチウム製パワードスーツとのバトルなどアクションが盛りだくさん。特殊な装置で治癒力を抑制されたり、右手の爪を叩き切られるなど手負いの姿も新鮮だ。スゴ腕の女戦士ユキオ(福島リラ)とのバディぶりも楽しい異色作である。

日本を訪れたウルヴァリンがヤクザや忍者と戦う『ウルヴァリン:SAMURAI』
日本を訪れたウルヴァリンがヤクザや忍者と戦う『ウルヴァリン:SAMURAI』[c]Everett Collection/AFLO

最終作『LOGAN/ローガン』は、ミュータントがほとんどいない近未来の物語。プロフェッサーXと隠遁生活を送るウルヴァリンは、ウェポンX計画で作られた人工ミュータントの少女を守るため立ち上がる。年齢を重ね、能力どころか酒に溺れて足腰すらおぼつかないウルヴァリン。ボロボロになりながら、一撃必殺で並みいる敵に立ち向かう鬼気迫る姿はアクティブな現役時代とはまた違う迫力に満ちていた。ジャックマンはウルヴァリンとそのクローンであるX-24の2役を演じており、視覚効果を使った両者の激闘も見どころだ。なお劇中では、名作として名高い西部劇『シェーン』(53)がセリフを含め引用されている。クールな荒くれ者が守るべき者との出会いを経て、悲劇のヒーローとして最期を迎える…。まるでシェーンをなぞったかのような、シリーズにおけるウルヴァリンの生涯を締めくくるにふさわしい作品となった。

能力が衰え、体が老化したローガンを描く『LOGAN/ローガン』
能力が衰え、体が老化したローガンを描く『LOGAN/ローガン』[c]Everett Collection/AFLO

『X-MEN:フューチャー&パスト』ではタイムスリップも経験!

X-MENが結成される以前、若き日のプロフェッサーX(ジェームズ・マカヴォイ)やマグニートー(マイケル・ファスベンダー)の日々を描いた4本からなるシリーズ。その第2作『X-MEN:フューチャー&パスト』(14)で、ウルヴァリンはキーマンとして活躍した。最強のロボ軍団センチネルによって、ミュータントが絶滅の危機に瀕していた近未来。センチネルの開発を阻止するため、ウルヴァリンの精神が時間を超える。『ターミネーター』(84)の裏返しのような本作で、ウルヴァリンは未来の惨状を若き日のプロフェッサーXらに訴え、説得する調整係として活躍。初期型センチネルとのバトルもあるが、時間SFのおもしろさを押しだしたスリリング&センチメンタルな作品となった。

ミュータントを絶滅に追い込むセンチネルの開発を阻止しようとする『X-MEN:フューチャー&パスト』
ミュータントを絶滅に追い込むセンチネルの開発を阻止しようとする『X-MEN:フューチャー&パスト』[c]Everett Collection/AFLO

ほかにも第1作『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(11)ではマーベルズというバーで、スカウトに来たプロフェッサーXらに悪態をつく役でカメオ出演。第3作『X-MEN:アポカリプス』(16)ではストライカーの研究所で記憶を消された状態で登場。こちらも1シーンのみのカメオだった。


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