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新キャプテン・アメリカを継承する意味とは?「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」で描かれたファルコン=サム・ウィルソンの葛藤と決意

コラム

新キャプテン・アメリカを継承する意味とは?「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」で描かれたファルコン=サム・ウィルソンの葛藤と決意

世界が混迷を極めるなか、盾を手放してしまったサム

このような経緯から、盾を受け取ったサムがそのままキャプテン・アメリカを引き継ぐのかと思いきや、ドラマシリーズ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」ではキャプテン・アメリカに対するサムの葛藤が物語の中心となった。黒人であるサムは自身がキャプテン・アメリカを名乗ることに重圧を感じ、誰もスティーブの代わりにはなれないという思いから、盾を博物館に寄贈する道を選ぶ。一方、政府からの恩赦によって暗殺者としての罪を許され、一般人となったバッキー(セバスチャン・スタン)は過去に起こした罪の意識に苛まれて孤独な状態に。本作ではかつてキャプテン・アメリカの相棒だった2人が混迷を極める世界で進むべき道を模索し、超人血清をめぐる事件に身を投じていく。

共にキャプテン・アメリカの相棒だったサムとバッキーの戦いと葛藤を描く「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」
共にキャプテン・アメリカの相棒だったサムとバッキーの戦いと葛藤を描く「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」[c]Everett Collection/AFLO

アベンジャーズの活躍で消滅していた数十億の命が復活したものの、このことが世界に大きな問題をもたらしていた。アメリカをはじめ各国では失った人口を補うために難民を移民として受け入れていたのだが、そこに元いた人々が突然戻ってきたため、大勢が行き場を失う状況に。この問題に対処するため発足したGRC(世界再定住評議会)は復活した人々の支援を優先し、難民だった人々を強制的に退去させようとする。こうした難民差別のような状況を目の当たりにし、空白の5年間における“国境なき世界”に戻すことを掲げる過激派組織「フラッグ・スマッシャーズ」が各地でテロ活動を開始。彼らはスーパーパワーを取得しており、その源流は複製された超人血清にあることがわかっていく。

“国境なき世界”を求めてテロ活動を行うフラッグ・スマッシャーズ(「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」)
“国境なき世界”を求めてテロ活動を行うフラッグ・スマッシャーズ(「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」)[c]Everett Collection/AFLO

そんな状況下で、政府は独自に新しいキャプテン・アメリカを任命。二代目に選ばれたのは名誉勲章を三度受賞した陸軍士官のジョン・ウォーカー(ワイアット・ラッセル)だった。しかし、精神的に不安定なジョンは、キャプテン・アメリカのスーツと象徴である盾を身につけながら、しだいに過激な行動を取るようになってしまう。

キャプテンのアメリカの称号を政治利用するアメリカ政府(「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」)
キャプテンのアメリカの称号を政治利用するアメリカ政府(「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」)[c]Everett Collection/AFLO


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