『インサイド・ヘッド2』が公開2週目で首位に浮上!ピクサー作品5年ぶりの快挙で“ディズニー復権”をねらう
お盆休みに突入した8月9日から8月11日までの全国映画動員ランキングが発表。前週、惜しくも2位スタートとなったディズニー&ピクサーの最新作『インサイド・ヘッド2』(公開中)が、公開2週目にして首位へと浮上を果たした。
前週対比98%!『インサイド・ヘッド2』がお盆休みに底力を発揮
世界各国で記録的な大ヒットを飛ばし、日本公開を前に全世界興収で“アニメーション映画歴代1位”という大記録を打ち立てた『インサイド・ヘッド2』。公開2週目の週末3日間の成績は、前週末対比98%となる観客動員39万1000人、興行収入5億2200万円。「山の日」の祝日だった8月12日を含む公開12日間の累計成績では、すでに動員156万人、興収20億円を突破している。
海外アニメの定番中の定番であるディズニーアニメが1位に立つことは珍しいことではないように思えるのだが、改めて振り返ってみれば、ピクサー作品の1位獲得は『トイ・ストーリー4』(19)の公開初週末以来、実に5年ぶり。ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ作品を含めれば『ウィッシュ』(23)が初週末に1位を獲得しているが、その前は『アナと雪の女王2』(19)で、コロナ禍に突入する直前のことだった。
日本ではこの10年ほどで国内アニメ作品が圧倒的な強さを見せるようになり、コロナ禍以降でそれがより一層顕著なものとなっている。また、海外アニメというジャンルにおいても「怪盗グルー」シリーズをはじめとしたイルミネーション作品が勢い充分に人気を獲得。それらに押されるように、ディズニー作品は安定したヒットを生みながらも「アナ雪」シリーズのようなインパクトをなかなか残せておらず、そのなかでもコロナ禍で配信公開に舵を切った作品が続いたピクサー作品は特に苦境ぶりが目立ってきた。
今回こうして『インサイド・ヘッド2』が日本でNo. 1の座に立ったことで、この悪い流れを完全に打ち崩せるかどうか、それはまだ定かではない。それでも9年前の前作は、動員ランキングの最高位が3位ながらも粘り強く夏休み興行を駆け抜け最終興収40億円を突破しており、作品のポテンシャルの高さは証明済み。その前作が叶わなかった1位を、公開初週とほぼ同等の成績を維持して勝ち取ったことは非常に価値のあること。海外と同じように、ここ日本でもディズニーブランドの本格的な復権への糸口となってくれることに期待がもてそうだ。