北野武監督、『アウトレイジ 』は「一回、シメで」最終章への思いを告白
北野武監督によるバイオレンス・エンタテインメントのシリーズ第3弾『アウトレイジ 最終章』(10月7日公開)のジャパンプレミアが9月25日にイイノホールで開催され、北野監督をはじめ、西田敏行、大森南朋、ピエール瀧、松重豊、大杉漣、塩見三省、白竜、名高達男、光石研、池内博之、金田時男、岸部一徳の総勢13名が登壇。北野監督が「一回、シメで」とシリーズ最終章への思いを語った。
裏社会に生きる男たちの、仁義なき抗争を描くシリーズの最新作。北野監督は「長続きさせようと思えばできた」といつまでも続けられる題材であったいいつつ、「深作さんの『仁義なき(戦い)』シリーズになってしまう。一度死んだ人がまた出てくるわけにはいかないので。一回、シメで」と最終章に至った思いを明かした。
ヨーロッパに行くと「バイオレンス映画以外に興味がないのか」と声をかけられるという北野監督。先日は初の恋愛小説「アナログ」を発表したが、「“次は純愛だ”と思って小説を書いたら、まぐれ当たりで当たってしまった」と売れ行きも好調な様子。「これをやって失敗したら、またバイオレンスの映画に戻ろうと画策している」とぶっちゃけ、会場の笑いを誘っていた。
西田は「頸椎を亜脱臼して4か月の入院を余儀なくされた。退院したての時に、最終章に出演することができた」と感無量の面持ち。塩見も2014年3月に脳出血で倒れたこともあり、西田は「ちょっと障害を抱えながら、お互いにリハビリをやりながらの撮影になりました」と塩見との撮影秘話を激白。「撮影の初日を迎えられたときは、なんとも言えない喜び。北野監督に支えられた」と現場に戻ってこられた喜びを語っていた。
その塩見は「また北野監督と、前作に続いて仕事ができたこと。本当に最高の喜びです。最高の時間でした。ありがとうございました」と声を絞り出すようにして北野監督に感謝を述べ、「『アウトレイジ 最終章』、グッとくる映画です!」と大きく叫び、会場から大きな拍手を浴びた。
瀧が「顔面世界遺産」と評する俳優陣がズラリと並んだこの日のステージ。北野監督は「僕が何をしなくても、台本を渡せば勝手に進行してくれる」と役者陣を信頼しきり。「一応区切りとなっていますが、また何年か経ったら、日本の役者オールスターズでとんでもない映画を撮ってみせようと思っている」と意欲を語っていた。【取材・文/成田おり枝】