王道エンタメ職人として、数々の傑作を監督&プロデュース!
コロンバスとスピルバーグのタッグは本作のあとにもリチャード・ドナー監督の『グーニーズ』(85)と、バリー・レヴィンソン監督の『ヤング・シャーロック ピラミッドの謎』(85)の2作があり、特に『グーニーズ』は、現在まで様々な映画やドラマシリーズに影響を与えるアドベンチャー映画の傑作として愛される1本に。その後、『ベビーシッター・アドベンチャー』(87)で監督デビューを飾ったコロンバスは、その3年後にクリスマス映画の新たなスタンダードを生みだすことに。
それは日本でも絶大な人気を誇る、クリスマス映画の大定番『ホーム・アローン』(90)だ。大家族のマカリスター家がクリスマス休暇で旅行に出発するなか、末っ子のケビンだけが運悪く家に取り残されてしまう。大慌てになる家族をよそに、ケビンは広い家で1人きりのクリスマスを満喫。そこに留守宅を狙っ2人組の泥棒が現れるのだが、ケビンは様々なギミックを仕掛けて応戦していく。本作の大成功を機にコロンバスは、『ホーム・アローン2』(92)や『ミセス・ダウト』(93)など、ファミリー向けコメディ映画の名手としてその名を馳せる。
そして1990年代末、当時世界的な大ブームを巻き起こしていたファンタジー小説の映画化プロジェクトが立ち上がり、スピルバーグら名だたる監督たちが候補に挙がるなかで監督に選ばれたコロンバス。生みだされたのは、もはや説明不要の『ハリー・ポッターと賢者の石』(01)だ。コロンバスは続編の『ハリー・ポッターと秘密の部屋』(02)でもメガホンをとり、3作目の『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(04)ではアルフォンソ・キュアロンにバトンを託し、自らはプロデューサーとして参加する。
“ハリポタ以後”の2000年代には、監督としてよりもプロデューサーとしての活躍が目立つようになったコロンバス。そのなかでも特にコロンバスらしさにあふれていたのは、やはりショーン・レヴィが監督を務めた「ナイト ミュージアム」シリーズだろう。異世界を舞台にしたファンタジー作品が台頭していた2000年代に、現実に存在する博物館で夜な夜な起こるイマジネーション豊かなストーリー。瞬く間に大人も子どもも虜にしてシリーズ化され、コロンバスの“エンタメ職人”としての才気が余すところなく発揮された。
近年ではNetflix製作の『クリスマス・クロニクル PART2』(20)で監督を務め、久々に“王道クリスマス映画”に回帰したと映画ファンを沸かせたコロンバス。これからの季節、家族みんなで観る映画に迷った時にピッタリなコロンバスの監督&プロデュース作の数々。『グレムリン』や『ホーム・アローン』、そして『ハリポタ』と、何世代にもわたって愛され続ける傑作を、配信やDVDでたっぷりと楽しもう!
文/久保田 和馬