2000年から早くも四半世紀!シネコンの隆盛、『アバター』による3Dブーム…映画界の25年のムーブメントを振り返る
MCUや「ハリポタ」などシリーズものが定番に
もちろん、それ以前も作られていたシリーズものが、劇的に多くなったのも2000年以降の大きな特徴と言えるだろう。2001年からの10年間で8作が作られた「ハリー・ポッター」や、人気に加え評価も高かった「ロード・オブ・ザ・リング」をはじめ、「パイレーツ・オブ・カリビアン」に「トランスフォーマー」「ワイルド・スピード」といったドル箱シリーズが台頭。
また2010年代は「ジュラシック・ワールド」や「猿の惑星」など、かつての名作のその後を描いた作品やシリーズを一新するリブート作品が次から次へと誕生し、ブームになっていった。
なかでも「ダークナイト」三部作などアメコミ映画の人気の盛り上がりは凄まじく、「X-MEN」や「スパイダーマン」シリーズで一般にも人気の礎を築いたマーベルは、『アイアンマン』(08)でMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)をスタートし、『デッドプール&ウルヴァリン』(24)まで現時点で34作の映画を公開。ドラマやアニメまで”宇宙”と呼ぶにふさわしい広がりを見せ続ける、世界で最も成功したシリーズとして映画界に君臨しており、まだまだ続くことになりそうだ。
Netflixなど配信が自宅での楽しみ方の定番に
そんなMCUや「スター・ウォーズ」など壮大な世界観を構築するうえで、欠かせない配信プラットフォームの登場もまた映画界を取り巻く大きな変化の一つだ。日本でのサービスが2015年から開始されたNetflixを筆頭に、Amazon Prime VideoやDisney+、Apple TV+、U-NEXT…など多くの配信プラットフォームですぐに作品を観ることができる便利な時代となった。
既存の作品の配信に加え、オリジナルコンテンツも充実。興収に左右されないからこそ、多くの監督にとって作家性を発揮する場となっており、アカデミー外国語映画賞・監督賞・撮影賞を受賞したアルフォンソ・キュアロン監督の『ROMA/ローマ』(18)や『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』(19)など数々の良作が誕生してきた。
配信ブームの隆盛の一方で、それまで家で映画を楽しむ定番だったレンタルビデオは斜陽となり、ピーク時には世界で約9,000店舗を展開していたというアメリカのブロックバスターは2013年に倒産。日本でもTSUTAYAが実店舗でのレンタルを続々と終了する状況となっている。
テクノロジーや環境など映画を取り巻く状況がこの25年間だけでも大きく変わってきたが、今後どのような新しい技術が登場し、変化をもたらしていくのか?次の25年もなにが起こるのか楽しみでならない。
文/サンクレイオ翼