『はたらく細胞』の3週連続Vで2024年はフィナーレ!年末年始興行も日本の実写映画が大奮闘
『ソニック x シャドウ』『勝ち切る覚悟』が初登場
前ページで触れた話にも通じるのは、9位に初登場を果たした『ソニック × シャドウ TOKYO MISSION』(公開中)。日本のセガが生みだした人気ゲームを、ハリウッドで実写とCGアニメーションのハイブリッドとして映画化した「ソニック・ザ・ムービー」シリーズの第3弾だ。
2020年に公開された第1作、2022年に公開された第2作いずれも北米ではスマッシュヒット(第1作の場合は公開中にパンデミックに見舞われてしまったが)となり、ゲーム原作映画の興収新記録を樹立。この第3作も北米興収ランキングで『ライオン・キング:ムファサ』を上回る大金星で1位スタートを飾り、さらなる記録更新が期待されている。
しかし日本では、前2作とも興収2億円を下回っており、北米から1週間遅れで公開された今回も9位からのスタートに。日本で生まれたキャラクターであり、今回の舞台はタイトルからも分かる通り東京。新たに登場するゲーム版の人気キャラクター“シャドウ”の声をキアヌ・リーヴスが担当するなど日本の映画ファンにも届きそうな話題がたくさんあるだけに、もっと注目されてもよさそうなものだが…。
もう一本の初登場タイトルは、10位にランクインした『勝ち切る覚悟 ~日本一までの79日~』(公開中)。今年26年ぶりの日本一に輝いたプロ野球・横浜DeNAベイスターズの球団公式ドキュメンタリーで、“勝ち切る覚悟”のスローガンを抱えて団結していったチームが、日本一を掴み取るまでの79日間に密着した内容となっている。
ベイスターズの球団公式ドキュメンタリーはこれが9作目。初期の頃は神奈川県内の一部の劇場での上映だったものが、徐々に全国へと拡大。なかでも球団初のクライマックスシリーズ進出を果たした2016年シーズンの舞台裏を描いた『FOR REAL-ベイスターズ、クライマックスへの真実。-』(17)は反響が大きく、当時横浜の映画館で働いていた筆者も上映期間中の盛り上がりぶりを鮮明に覚えている。
今回の作品は全国で36館という前作よりも倍近い規模での上映で、シリーズ初のトップ10入り。もちろんトップ10圏内の他の作品の上映規模と比較すると圧倒的に少ない上映館数だ。1館あたりの詳しい動員成績は発表されていないが、特に神奈川県内15館はいずれも大盛況となっていることだろう。
以下は、1~10位までのランキング(12月27日〜12月29日)
1位『はたらく細胞』
2位『モアナと伝説の海2』
3位『ライオン・キング:ムファサ』
4位『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』
5位『劇場版ドクターX』
6位『聖☆おにいさん THE MOVIE~ホーリーメン VS 悪魔軍団~』
7位『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』
8位『【推しの子】-The Final Act-』
9位『ソニック × シャドウ TOKYO MISSION』
10位『勝ち切る覚悟 ~日本一までの79日~』
2025年最初の週末となる今週末は、ジェイソン・ステイサム主演最新作『ビーキーパー』(2025年1月3日公開)などが控えている。また、『グランメゾン・パリ』(公開中)も上位にランクインしていくることが予想される。
文/久保田 和馬