瞬き厳禁!「24 -TWENTY FOUR-」や『マネーモンスター』など、リアルタイム型サスペンスの系譜とおもしろさ
元人気キャスターが爆弾犯との交渉に乗りだす『ショウタイムセブン』
リアムタイム型サスペンスの最新作である『ショウタイムセブン』。主人公は報道番組「ショウタイム7」の人気キャスターだったものの、ある出来事をきっかけにラジオ局に異動となった折本眞之輔(阿部)。彼が担当するラジオ番組に、リスナーを装った男から爆弾テロの予告電話が入る。いたずらだと思い一度は電話を切る折本だったが、その直後に近くの発電所で爆発が発生。すぐさま先ほどの電話の男にコンタクトを取り、さらなる爆破計画があることを知る。また、男が「ショウタイム7」時代からのファンであることを知った折本は、生中継で犯行声明を発表させることを条件に番組に返り咲こうと画策。しかし、犯人はそれを見越してスタジオにもトラップを仕掛けていた…。
次の爆破をにおわせながら新たな要求を出してくる犯人と、優れた分析力と大胆さで一世を風靡したキャスターがリアルタイムで壮絶な駆け引きを繰り広げる。果たして、折本は犯人を説き伏せることができるのか?スリリングなせめぎ合いのなか、現代社会が抱える闇を暴きだしていく展開からも目が離せない。したたかで強引な折本と番組プロデューサーの過去や、局内の力関係など人間ドラマも見応えある。
本作は韓国映画『テロ, ライブ』(13)の日本版リメイク。ただし、熱い人間ドラマやスペクタクルなテロ描写を盛り込んだエンタメ指向のオリジナルに対し、日本版は原作を尊重しつつも、メディアの在り方に疑問を投げかける社会派エンタテインメントになっている。
中盤以降は独自の展開に舵を切り、阿部演じる折本のアクの強いキャラクターも手伝ってローカライズを超えた作品として完成。両作を観比べてみるのもおもしろいだろう。
文/神武団四郎
作品情報へ