湯浅政明監督「DEVILMAN crybaby」に自信たっぷり!第1話を観た観客に「まだ序の口です」
永井豪の代表作を現代的にアレンジしたNetflixオリジナルアニメシリーズ「DEVILMAN crybaby」が1月5日(金)からの全世界同時配信に先駆けて12月28日、東京・渋谷のライブハウス「WOMB」で「DEVILMAN NIGHTプレミアム試写会」が開催。このシリーズの監督を務めた湯浅政明と、ラッパーのKEN THE 390が登壇した。
多くの読者にトラウマを与えたという原作のラストに、映像作品として初めて触れることが大きな話題になっている本作。今回の試写会で上映された第1話では、高校生・不動明の前に、アメリカの大学で教授をしている親友・飛鳥了が現れ、若者たちの間で流行しているという“サバト”に潜入。そこで突然、アキラは悪魔と合体したデビルマンに変身するのである。
まるで劇中の“サバト”をイメージさせるような会場で、第1話を観たばかりの観客から熱い拍手が寄せられた湯浅監督。「まだ序の口ですけどね」とニヤリと微笑み「これからだんだん面白くなってくる」と全10話あるシリーズへの自信を窺わせた。さらに「最終的には“愛”の話になっているので、ちょっと気持ちよく終わるかな」とほのめかした。
多くのクリエイターに影響を与えたと言われている原作に、湯浅監督は高校生の頃に出会ったことを振り返り「怖いもの見たさで見てもびっくりした。永井豪ってすごいなと、漠然と思っていた」と語る。それから長い時間を経て、自分の手で映像化をしたことについて「当時はまったく考えもしなかったこと」だと明かし「不意を突かれた感じですね」と笑顔を見せた。
そして「制限を気にすることなく、バイオレンスやエロティックなシーンが描けた」と、Netflixで制作することのメリットを明かした湯浅監督は「制限は入っていないでしょうが、僕のほうで大人としての規制を敷きました」と冗談交じりに微笑んだ。「少し笑えるけれど笑えすぎないように、ちょっとだけ嫌な感じだけど、気持ち悪くないようにというバランスを考えました」と、自由な表現の中でも様々な工夫を凝らしたことを明かした。
一方で若者のひとり、ワムの声を担当し、劇中に登場するラップの監修も務めているKEN THE 390。本作のオファーをもらったときに「めっちゃやりたい!と思った」と明かし、初めて声優に挑戦したことについても「とても刺激的でしたし、周りの方から教えてもらいながらやりました」と笑顔で振り返った。
また、本作でアニメとラップを融合させた理由について「ラップは自分たちの思ってることや、世相とかを反映してるので、色々説明してくれるからね」と、正直に明かした湯浅監督。そして、完成した作品を鑑賞したKEN THE 390が「展開がびっくりするくらい速くて、すごく面白かったです。3日ぐらいに分けて観ようと思っていたら、一気に観てしまった」と笑顔で語ると、湯浅監督はしてやったりの表情を浮かべていた。
取材・文/久保田和馬