堀北真希、「キスシーン、理屈でいくとダメ」
堀北真希が、松山ケンイチ、手越祐也、『ターミネーター4』(09)のアントン・イェルチンらと共演したラブストーリー『誰かが私にキスをした』(3月27日公開)。本作で初の英語台詞にトライした堀北が、メガホンをとったハンス・カノーザ監督と共に、キスシーンなどの撮影秘話を語ってくれた。
本作の舞台はインターナショナルスクールで、堀北扮するヒロイン、ナオミが階段から落ちて記憶喪失になるところから始まる。彼女が目覚めると、そばにはユウジ(松山ケンイチ)が付き添っていたが、その後、彼女の親友ミライ(手越祐也)や、彼氏のエース(アントン・イェルチン)が現われ、彼女は戸惑いを隠せないまま、3人と交流していく。
『誰かが私にキスをした』というタイトルどおり、キスシーンがポイントになっている映画だが、堀北はキスに文化の違いを感じたと言う。「日本では何歳くらいでキスを経験するかとか、付き合ったらどんな感じになるかとか、最初に監督と話をしました。日本の学生だったら、まず一緒に帰ったり、映画を観に行ったりとかすると思うんですけど、アメリカだと違うようで、驚くことはいっぱいありました。それを自分で分かった上で演じようと思ったんです」
中でもナオミと松ケン扮するユージが互いに話しながらキスするシーンが印象的だ。そのシーンについて、カノーザ監督はこう語った。「本作でのキスは重要な役割を担っているが、ナオミとユウジのシーンはすごくスイートな瞬間をとらえたもの。傷ついたふたりがやっとお互いにもろさを含めて愛情を露わにするシーンなんだ」。
確かに、心が通じ合ったふたりが交わすキスは、愛情にあふれていて観ている方もドキドキする。監督は、「キスはコミュニケーションの一部だ」と言う。「キスって言葉と同じで、何かを相手に伝えようとしないキスは意味がない。真希にもそういう話はしました。でも、俳優にはそれぞれやり方があるので、彼女に任せたけどね」。
演じた堀北はどうだったのか。「キスシーンをやる上では、理屈で固めちゃったらぜんぜん何も伝わらないかなと。だから、ナオミとユウジとの関係を大事にしてやろうと思いました」。
今回は監督と密に話し合って役を演じたそうだが、堀北はどんなものを得たのか? 「視野が広くなりましたね。今回はいろんな方向から役を考えないと正解が分からなかったから。毎日がてんてこまいでしたが、楽しかったです(笑)」。するとカノーザ監督も「てんてこまいだとは全然気付かなかったよ。僕は彼女を信用していたし、毎日の葛藤から生まれたものが、すごくいい出来だったと思う」と彼女に対して太鼓判を押した。
初めてインターナショナルな現場を踏み、英語台詞での演技も披露して、女優としてまたスケールアップした堀北真希。豪華共演陣とのアンサンブルで見せるラブストーリーは、恋をしたくなる春にぴったりなので、大いに期待して!【Movie Walker/山崎伸子】