【第90回アカデミー賞】主演女優賞はフランシス・マクドーマンド!感動的なスピーチに女性陣が総立ち
現地時間3月4日(日本時間5日)にハリウッドのドルビー・シアターで開催された第90回アカデミー賞授賞式。主演女優賞は、『スリー・ビルボード』(公開中)のフランシス・マクドーマンドにもたらされた。
本作は、アメリカの片田舎を舞台に、娘を殺された母親がなんの進展もしない捜査状況に憤り、地元警察に怒りの矛先を向ける姿を描くクライム・サスペンス。フランシスがジャンプスーツとバンダナという“戦闘服”に身を包み、全身で怒りのエネルギーを放射し続ける母を果敢に演じた。
フランシスにとって、アカデミー賞主演女優賞獲得は『ファーゴ』(96)以来、2度目。フランシスはプレゼンターのジョディ・フォスターともハグを交わし、マイクに向かった。「緊張しているけれど、言いたいことがあるので言わせて」とお茶目な笑顔を見せて、会場からも大歓声。「女性候補者たち、一緒に立ち上がって!プロデューサー、監督、作曲者、デザイナー、みんなよ!」と大声で呼びかけると、主演女優賞のノミネート候補はもちろん、会場の女性陣がザッと立ち上がった。女性が誇らしげな顔で起立した圧巻の光景を前に、フランシスは「私たちにはそれぞれの物語がある」とじっくりとコメント。「そのすべての人々を含めて考えるべきよ」とダイバーシティの重要性を訴えると、感動的なスピーチに割れんばかりの拍手が沸き起こっていた。
フランシス・マクドーマンドは1957年、アメリカ・イリノイ州生まれ。『ミシシッピー・バーニング』(88)、『あの頃ペニー・レインと』(00)、『スタンドアップ』(05)でアカデミー賞にノミネートされ、 ジョエル・コーエン監督の『ファーゴ』(98)で同賞主演女優賞を受賞。個性派俳優の地位を確立した。最新作は声の出演をする、ウェス・アンダーソン監督の『犬ヶ島』(5月公開)。
文/成田 おり枝