「自分のものとして演じた」若きハン・ソロが語る、大先輩からのアドバイスとは?
世界中で熱狂的なファンが数多くいる「スター・ウォーズ」シリーズで、名優ハリソン・フォードが演じてきた人気キャラクター、ハン・ソロ。彼の知られざる若き日の冒険を描きだした『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(公開中)で若きハン・ソロを演じた新鋭、オールデン・エアエンライクに直撃し、大役に挑んだ心境を聞いた。
オールデンは89年生まれの29歳。本作でメガホンをとったロン・ハワード監督と元祖ハン・ソロ役のハリソン、そして「スター・ウォーズ」シリーズの生みの親ジョージ・ルーカスの3人がタッグを組んだ『アメリカン・グラフィティ』(73)でプロデューサーを務めた巨匠フランシス・フォード・コッポラ監督の『テトロ 過去を殺した男』(09)でデビューを果たしたという、なんとも不思議な縁の持ち主だ。
その後、彼はパク・チャヌク監督やウディ・アレン監督、ジョエル&イーサン・コーエン監督、ウォーレン・ベイティ監督など、名だたる監督たちの作品に次々と抜擢。そして長いオーディションの末に本作の主人公ハン・ソロ役を勝ち取った。「決まった時は本当に信じられないほど驚いたよ。もう大興奮で、これはきっとすごい冒険になるんだろうとずっとワクワクしていたんだ」。
世代的には旧3部作が終わったあとに生まれた“新3部作世代”のオールデン。しかし彼の「スター・ウォーズ」との出会いは5歳のころに観た旧3部作だったという。「アクションフィギュアやライトセーバーも持っていたんだ」とにこやかに笑うオールデンは、手元にあったハン・ソロのフィギュアを楽しそうに操りながら「実は僕が『スター・ウォーズ』で一番好きなところは、今回の作品にも登場するカンティーナのようなアングラにいるギャングたちの姿なんだ」と明かす。
そんな根っからの“ハン・ソロ適正”を持ち合わせているオールデンは「本人に会わずに始めるわけにはいかないと思った」と、自らハリソンに会いに行ったエピソードを語る。「ハリソンからのアドバイスは一言、自分のものとして演じるようにということでした。もちろん具体的なことも教えてもらいましたが、もし訊かれたら『ハリソンは必要なことを教えてくれたが、なにを教えたかは一切口にしてはいけない』と答えるようにも言われました(笑)」。
大先輩からのアドバイス通り、“自分のもの”としてハン・ソロを演じた彼は「脚本に書かれていたことが明確だったので、自分はこれまでの作品を何度も観て、その世界観やハリソンの演技を吸収した上で、それが少しだけ表れるように意識して演じました」と振り返る。「みなさんの中で、僕が演じたキャラクターがいずれ成長してあのハン・ソロに見えるようになればいいなと願っています」と、自信をうかがわせた。
また、ハリソンからは「スター・ウォーズ」のこと以外にも、俳優としてのキャリアのことなどを教えてもらったというオールデン。数多くの人気作に出演し、40年以上も一線級で活躍するハリソンのように、オールデンもまたハン・ソロ役を契機にしてスターダムにのし上がっていくことに期待したい。
取材・文/久保田 和馬