橋本愛の存在感を、渡辺大知が「出てくるだけでストーリーが始まる」と絶賛!|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
橋本愛の存在感を、渡辺大知が「出てくるだけでストーリーが始まる」と絶賛!

インタビュー

橋本愛の存在感を、渡辺大知が「出てくるだけでストーリーが始まる」と絶賛!

お互いに共演した感想を語った橋本愛と渡辺大知
お互いに共演した感想を語った橋本愛と渡辺大知

小説家・山内マリコの処女作を映画化したビターな青春群像劇『ここは退屈迎えに来て』(10月19日公開)で共演した橋本愛と渡辺大知。『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(17)の廣木隆一監督のもと、高校時代とその10年後を生きる若者たちのリアルな心の揺らぎをつむぎ上げた2人にインタビューし、撮影秘話を聞いた。

橋本は何者かになりたくて東京へ出たものの夢を諦め、地元で働く「私」役を、渡辺はその同級生で、胸に秘めたある思いを詩的な言葉で発散する新保役を演じた。そのほか、高校時代の人気者で、新保くんが密かに憧れを抱いていた椎名くん役に成田凌、彼の元彼女「あたし」に門脇麦が扮し、それぞれのいまと過去のまぶしい思い出が織り交ざって展開されていく。ある日「私」は、高校時代の親友・サツキ(柳ゆり菜)と、仕事仲間の須賀さん(村上淳)とともに、大人になった椎名くん(成田凌)を訪ねていく。

本作で廣木監督は、長回しのシーンを多用することで、地方都市に住む人々の閉塞感や焦燥感を生々しく切り取った。橋本が車の中で柳や村上たちと話すくだりは、脚本自体も数ページ分ある長さのシーンだが、心地良い緊張感をもって臨めたと言う。

「CGではなくちゃんと車で走っているから、途中でトチったり、間がおかしくなったりするともう1回スタート地点に戻ってやりなおしなので、『これは舞台で、今日しかないんだ』と思って演じたのをよく覚えています。でも、原作や脚本がしっかりした内容だったので、私はただ皆さんの顔を見たり、声色を聞いたりして、自然と気持ちいい会話ができるよう目指しました』。

それぞれの過去と現代の思いが交錯していく
それぞれの過去と現代の思いが交錯していく[c]2018「ここは退屈迎えに来て」製作委員会

完成した映画で同シーンを観た渡辺が「良かったですよ」と言うと、橋本は「本当?」とうれしそうに微笑む。渡辺は「長回しというのは、役者さんやカメラマン、照明部さんたちスタッフ全員を監督が信頼しているからこそできるんだろうなと、僕はこの現場で思いました。なにか一つだけが良くてもダメで、みんなが『いましかない』という想いでやることで、すごい力が生まれることを、廣木さんは信じているんだと思います。それに、廣木組は一緒に話し合って作り上げていくというよりは、こちらが挑戦したくなるような現場でした」。

長回しのシーンの中でも、夕焼けが美しいドライブシーンが一番心に残っているという橋本。「夕日が沈むギリギリのタイミングだから時間との戦いだったけど、スタッフさんも一切妥協せずに、クオリティを求められました。全員がスタンバイしたあと『さあ、車に乗ってください』と言われた時はドキドキしました。でも、とてもいいグルーヴが生まれた気がします。そういう時は時間が濃いというか、身体で時間を刻んでいるのがわかるので、すごく充実感がありました」。

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