かっこよすぎる66歳・草刈正雄、“普通のおじさん”役に「不安あった」
草刈正雄が7年ぶりに主演を務めた映画『体操しようよ』(公開中)の公開記念舞台挨拶が11月10日に新宿ピカデリーで開催され、草刈をはじめ、木村文乃、きたろう、渡辺大知、和久井映見、菊地健雄監督が登壇。久しぶりの映画で“普通のおじさん”役を演じた草刈が「リアリティがなくなるのではという危険も持っていた。こういう役は初めて。不安はあった」と告白。きたろうから「相当、二枚目だと思ってんだね」と突っ込まれ、爆笑した。
本作は草刈演じる道太郎が、娘からの親離れ宣言を機に、家事や地域デビュー、ラジオ体操にと奮闘する姿を描くヒューマンドラマ。「久々の映画出演でワクワクドキドキ。そして思い切り楽しみました」と撮影を振り返った草刈。「普通のおじさんという役。僕はそのなかに入れるだろうか。リアリティがなくなるのではという危険も持っていた」と草刈自身が“かっこよすぎる66歳”だけに、心配もあったという。
さらに「50年近くやっていますが、こういう役は初めてと言っていい役。不安はあった」と新境地になったといい、「俳優さんたちが助けてくれて、なんとなく潜り込めた気がしています」と周囲に感謝。「僕にとって宝物です」と本作への愛情をあふれさせていた。
道太郎が恋心を寄せるラジオ体操会のマドンナを演じた和久井は「ポロシャツを第一ボタンまで閉めて、お腹に(シャツを)インしている。撮影をしている瞬間は本当に道太郎さん」と草刈の“普通のおじさん”への変貌を絶賛し、「そうじゃない瞬間に、パッと違うお顔でサラッとお話をする草刈さんは、ぜんぜん違う。とても尊敬していました」とさすがの演技力に感嘆。草刈は「楽しかった。素直に恋心が湧いてきました」と和久井にゾッコンで、「うらやましいでしょう?」と会場に語りかけ、笑いを誘っていた。
最後には、共演者陣で完成させた似顔絵が贈られるひと幕も。まったくのサプライズだったそうで、草刈は「ありがとう」と目を細め、「うるうるきました。本当にありがとうございます。一生大切にしていきます」と大感激。「僕はスタッフ、共演者の人柄に惚れる。そのなかで(演じる役が)作られていく。今回はすばらしい共演者に恵まれた。幸せです」としみじみと語っていた。
取材・文/成田 おり枝