エミリー・ブラントが明かす、メリー・ポピンズ役の重責と92歳のレジェンドとの共演秘話
あのメリー・ポピンズが再びロンドンのバンクス家に舞い降りる!ディズニーの名作映画『メリー・ポピンズ』(64)のその後を描く『メリー・ポピンズ リターンズ』(2月1日公開)を心待ちにしていた人は多いはず。本作でタイトルロールを演じ、美しい歌声と華麗なダンスを披露したエミリー・ブラントにインタビュー。
ロンドンの大恐慌時代、妻を亡くして悲しみに暮れるバンクス家の長男・マイケル(ベン・ウィショー)とその子どもたち。家は荒れ放題で、家計も困窮しているバンクス家に、再び、ちょっと“上から目線”のミステリアスな魔法使いメリー・ポピンズがやってくる。彼女は一風変わった方法で、バンクス家の子どもたちを楽しませつつ、一家のピンチを救っていく。
メリー・ポピンズ役への思い入れと演じる勇気
ご存知、名女優ジュリー・アンドリュースの当たり役となったメリー・ポピンズ役に、エミリーはどのようにアプローチしていったのだろうか。「64年の『メリー・ポピンズ』は子どものころに観ていて大好きな映画だったし、ジュリーがあれだけ光輝くパフォーマンスを見せてくれたおかげで、私がこうやって同役を演じる機会に恵まれたので、彼女にはとても感謝しているわ。でも、本作の出演が決まった時、私は敢えてオリジナル版は観ずに、原作を読んでキャラクター造形をしていったの」。
エミリーはその理由について「自分なりのユニークなメリー・ポピンズを演じたい、ジュリーの真似をしたくない、という気持ちが強かったから。たぶん、ほかのキャストやスタッフも同じ考えで、オリジナル版を大切に思いながらも、自分たちなりのものを手掛けたいと模索して作っていきました。もちろん、勇気も必要だった」と並々ならぬ想いを打ち明ける。
メリー・ポピンズが久しぶりにバンクス家に降り立つという設定からして胸が躍るが、エミリー自身もマイケルやジェーン(エミリー・モーティマー)と再会するシーンを、心から楽しんだという。「すっかりいい大人になったマイケルたちだけど、メリー・ポピンズは昔と同じく彼らを完全に子ども扱いしてしまう。それは、彼らに対していまも変わらぬ愛情を持っている証拠ね。家があまりにも混沌としていたから、ここは自分がなんとかしなければ、と思う」。
誰よりもエネルギッシュだった92歳のレジェンド、ディック・ヴァン・ダイク
特筆すべき点は、前作で大道芸人のバートと、銀行家のミスター・ドース・シニアを1人2役で演じていたディック・ヴァン・ダイクが、本作でミスター・ドースの息子、ミスター・ドース・ジュニア役で出演している点だ。なんと、本作の撮影当時、御年92歳!
エミリーは「ディックさん自身の存在自体がまさにユニコーンのように摩訶不思議な感じだった。誰よりも元気はつらつで生命力にあふれているし、とてもユーモアがあるの。人は毎日希望を持って生きていくべきだという、『メリー・ポピンズ』の魂を象徴しているような方」と、レジェンドの印象を語る。
しかも本作では、ミスター・ドース・ジュニアがデスクに飛び乗り、華麗にタップを踏むシーンもある。「実は、このシーンでスタッフが介添をする準備をしていたら『必要ない』という感じで、ディックさんが軽やかにデスクに飛び乗られたの。一瞬、幻覚かと思ったほど!この日、一緒に撮影できただけでも私にとってすばらしい経験になったし、スタッフやキャスト全員にとっても、おそらく最も記憶に残った撮影日になったんじゃないかと思います」。