大坂なおみ選手と『スパイダーマン:スパイダーバース』の意外な交差点が発覚!
全米オープンを制覇し、日本人として初めて四大大会で優勝した大坂なおみ選手と、映画『スパイダーマン:スパイダーバース』(3月8日公開)の製作総指揮者であるフィル・ロードとの、ツイッターのやりとりが話題になっている。
映画を鑑賞した大坂選手が、自身のツイッターで「『スパイダーマン:スパイダーバース』は最近観た映画で、最も良かった1作。映画を通してこんなにハッピーな気分になれたことはないです」とつぶやいたところ、そのツイートに対し、フィル・ロードが以下のように返信したのだ。
「あなたがテニスをプレーする姿こそ、僕を元気付けてくれます。2年前の夏に僕は、とても落ち込んでいた週があったのですが、ウィンブルドン2017であなたのプレーを見て癒されました。その1年後、グランドスラムで2勝利を果たされた時には泣きましたよ。感動のお返しです。」
大坂選手は、2017年にウィンブルドン本戦に初出場し、翌年に日本人女子初のグランドスラム全米オープンで優勝した。ちょうどその頃フィル・ロードは、クリス・ミラーとともに監督として『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(18)の製作に着手していたものの、ルーカスフィルムとの製作方針の相違で、監督を降板させられたばかりだったのだ。
ロードとミラーは、この経験を「 残念なことだけれど、一緒に仕事をしたコラボレーターからは多くを学び、結果より良いフィルムメーカーになれた」と語っている。その後、2人は『スパイダーマン:スパイダーバース』の製作を開始。ピーター・パーカーが主人公だった実写映画とは異なり、コミック作家のブライアン・マイケル・ベンディスと、アーティストのサラ・ピシェリが創った黒人と南米人のハーフの中学生、マイルス・モラレスを主人公にした作品に仕上げた。
本作は、多様な描写スタイルのキャラクターを融合させたビジュアル性や、スパイダーマンというヒーローを、自身のアイデンティティを探求する少年、マイルスの目線で描いたところが賞賛されている。オリジナル「スパイダーマン」の原作者である故スタン・リーも、マイルスがマイノリティの人種層を象徴する、ポシティブなメッセージ性を評価していた。
今回ツイートが話題になった大坂選手は、日本人の母とハイチ系アメリカ人の父のもとに生まれたハーフだ。現時点では日本と米国の二重国籍を維持しながらも、テニス選手としては日本人としての国籍を選択している。一部のメディアからは、彼女の日本人としてのアイデンティティを疑う批判的なコメントもあるが、それでもアスリートとして自分の道を切り開く信念と、『スパイダーマン:スパイダーバース』のマイルスのキャラクター性が共鳴したのかもしれない。