『アクアマン』『シャザム!』が全世界で連続ヒット! DCユニバースは、“ダーク”から“明るく面白く”へ
DCエクステンデッド・ユニバース(DCEU)の7作目となる映画『シャザム!』が、米国で4月5日に公開され、初登場1位を記録。興行収入だけでなく、口コミでもかなり評判のいいスタートを切っている。公開2週目の週末も2500万ドル(およそ28億円)の興収を記録し、現在北米だけで9400万ドル(およそ100億円)を突破。映画評論家の意見を収集するサイト「ロッテントマト」によると、90%の評論家がポジティブな評価をしており、一般の観客からも好評だ。
『シャザム!』の主人公、ビリー・バットソンは、フィラデルフィアで暮らす心優しいごく普通の14歳の少年。ある日古代の魔術師シャザムが、ひょんなことで出会ったビリーの素直な性格に感銘を受け、彼に6つの超能力を授けてスーパーヒーローになる方法を教える。それは「SHAZAM!(シャザム!)」という一言を叫ぶと、筋肉モリモリの大人のスーパーヒーロー“シャザム”に変身できるようになるというもの。
ビリーは、少年でありながら6つの能力(ソロモンの知力、ヘラクレスのパワー、アトラスのスタミナ、ゼウスの全能、アキレスの勇気、マーキュリーのスピード)と、マッチョな大人の肉体をゲットし、親友のフレディと大はしゃぎ!しかし喜ぶ間もなく、宿敵で科学者のDr.シヴァナが登場する。Dr.シヴァナと戦うために、シャザムは6つの能力を使いこなせるように特訓しなくてはならなくなるが…。
シャザム役は、テレビドラマ「CHUCK/チャック」のザッカリー・リーヴァイ。シャザムに変身する少年ビリー役は、アッシャー・エンジェルが演じる。そのほかDr.サデウス・シヴァナ役は『キングスマン』(14)でマーリンを演じたマーク・ストロング、魔術師シャザム役に『アクアマン』のジャイモン・フンスー。また、テレビドラマ「ウォーキング・デッド」のジェリー役でお馴染みのクーパー・アンドリューズも出演している。
これまでのDCEUの作品は、クリストファー・ノーラン監督の「ダークナイト」三部作や、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(16)など、ダークで重厚なドラマ重視の作品傾向が続いていた。しかし『ワンダーウーマン』(17)や『アクアマン』(19)から、家族全員が楽しめる、明るくユーモアの取り込まれた作品へと徐々に転換。結果『アクアマン』は全世界興行収入1200億円を超える大ヒットを収めた。公開したばかりの『シャザム!』も、そのトレンドに乗って快調のスタートを切り、すでに続編の製作企画も進められている。
DC映画の社長、ウォルター・ハマダは、Fast Companyとのインタビューで「それぞれの映画で主人公を忠実に描く予定です。『ジョーカー』の映画は『シャザム!』とは明らかに異なるトーンで描かれますし、『スーサイド・スクワッド』の続編もまた異なります。シリーズ全体でトーンを統一させることはあえて意識せず、キャラクターとストーリーで独自の描き方を決めているんです。これからも映画の描写スタイルと、ストーリーに多様性をもたせたいと思っています」と語った。