『タイタニック』にジブリ作品など…“平成”のヒット映画を振り返る!<前編>
映像革命を巻き起こした『マトリックス』の衝撃!
また洋画の中で象徴的な作品だったのが、1999年に公開された『マトリックス』だ。興行収入で『アルマゲドン』、『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(99)に次ぐ3位となり、87億円を稼ぎ出したこの作品は、何より画期的だったのがその映像だ。
往来のCG技術にはなかったような、ワイヤーアクションやバレットタイムなどのVFXを組み合わせたことで生まれた斬新な映像は“映像革命”と話題になり、後に多くのフォロワーを生んだ。特にキアヌ・リーヴス演じる主人公のネオが、体を反らせて銃弾を避ける象徴的なシーンは、その真似をする子どもたちが続出し、バラエティ番組でもこの作品を模倣した企画が作られるなど、社会的に大きなブームに。
2003年6月に公開した続編『マトリックス リローデッド』は、興行収入110億円の大ヒット、同年の11月には完結編『マトリックス レボリューションズ』も公開されるなど大きな注目を集めた。
『千と千尋』が大ヒット!スタジオジブリがすごすぎた!
そして平成最大のヒット作となったのが、ご存じ、宮崎駿監督による2001年の『千と千尋の神隠し』だ。この作品は、日本映画歴代最高の2350万人の観客動員、308億円の興行収入を記録。公開から26週にわたり、ランキングトップ10入りし、1年以上にわたるロングラン上映となった。評価面でも第75回アカデミー賞で長編アニメーション賞を受賞したほか、第52回ベルリン国際映画祭の金熊賞など、世界中のあらゆる映画賞を総なめに。
大々的な宣伝の効果により映画がヒットしすぎ、周りに迷惑をかけたという思いから、次作の『ハウルの動く城』(04)の際は、本作とは対照的に宣伝をほとんどせず、他作とすみ分けを図ったという逸話もあるのだとか。それでも『ハウルの動く城』は、196億円という大ヒットを記録。他のジブリ作品では、『もののけ姫』(97)が193億円、『崖の上のポニョ』(08)が155億円、『風立ちぬ』(13)が120.2億円と、平成の間に計5本もの作品が100億超えを達成しているから驚きだ。
後編では、記憶に新しい『君の名は。』(16)の大ヒットなど、平成16年(2004年)から平成31年(2019)の間のヒットした作品を、振り返っていきたい。
文/トライワークス
1989年:『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』74億円
1990年:『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』95億円
1991年:『ターミネーター2』87.9億円
1992年:『紅の豚』28億円(配給収入)
1993年:『ジュラシック・パーク』128.5億円
1994年:『クリフハンガー』40億円(配給収入)
1995年:『ダイ・ハード3』72億円
1996年:『ミッション:インポッシブル』36億円(配給収入)
1997年:『もののけ姫』193億円
1998年:『タイタニック』262億円
1999年:『アルマゲドン』135億円
2000年:『M:I-2』97億円
2001年:『千と千尋の神隠し』308億円
2002年:『ハリーポッターと賢者の石』203億円
2003年:『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』173.5億円
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