映画ニュース 2019/4/29 17:30

最新作『天気の子』も公開迫る！GWは新海誠作品を振り返ろう！

雨粒の一粒一粒が登場人物たちの心の機微に寄りそう『言の葉の庭』

季節は梅雨。降りしきる雨の中で出会った、靴職人を目指す少年・タカオと、歩き方を見失ったミステリアスな女性・ユキノ。その日から、雨の日にだけ会うことになった2人の「恋」と「孤悲(こい)」の物語が描かれる。

雨の日にだけ会う2人の「恋」と「孤悲(こい)」の物語を描く『言の葉の庭』[c] Makoto Shinkai / CoMix Wave Films

新海監督の劇場作品5作目『言の葉の庭』(13)の最大の見どころは何と言っても、雨粒の一粒一粒まで、こだわりが詰め込まれた「雨」の描写だ。大半のシーンが雨に彩られながらも、小雨から豪雨、夕立に天気雨と、登場人物の心の機微に寄り添った変化を見せるのが非常におもしろい。美しい自然描写と音楽に彩られた本作を観終わる頃には、きっと雨が好きになっているはず。

少年少女の運命の恋が大きな感動を生む『君の名は。』

山奥の田舎町に住む女子高校生・三葉は、ある日東京で暮らす男子高校生になった夢を見る。念願の都会生活を満喫する彼女。その一方で都会に住む男子高校生・瀧も、田舎で暮らす女子高校生になる奇妙な夢を見ていた。同じ夢を繰り返し見る2人は、やがてお互いが実際に入れ替わっていることに気づき…。

2016年を代表する大ヒット作でハリウッドでのリメイクも決定している『君の名は。』[c] 2016「君の名は。」製作委員会

都会と田舎、それぞれ異なる景色を現実よりも美しく描いた背景。夜空を翔ける幻想的な「彗星」。そして彗星が動かす、少年少女の運命の歯車。『君の名は。』はどのシーンにも見どころしかない感涙必至の恋愛劇であり、2016年、そして平成を代表する大ヒット映画に相応しい傑作だ。

4月6日から始まった下北沢トリウッドでの特集上映では、ここまでに紹介した6作に短編「彼女と彼女の猫」を含めた7本が上映され、27日からは『君の名は。』もスタート。最新作『天気の子』を前に、長編から短編まで、“新海誠ワールド”にたっぷり浸かってみてはいかがだろうか？

文/リワークス