『ロケットマン』監督&主演コンビに直撃!タロン・エガートン「エルトン・ジョンを演じるのは危険を恐れない思い切りが必要」
「自分を愛するという選択をしたほうが生きやすい」(タロン)
――本作は、世界的アーティストでさえ、自分を愛することは難しいという普遍的な真実の一つを示しています。自分を愛するために必要なことは何だと思いますか?
タロン「自分を愛するというのは、すごく難しい問題で、僕自身にもなかなかよくわからないんだ」
監督「彼は冗談を言っているんだよ(笑)」
タロン「本当だよ!(笑)。やっぱりそれは、人ぞれぞれが自分で見つけていかなくてはならないもので。人によっては、すごく簡単だったり、逆に難しかったりすると思う。その人の生きる上での信念によるというか……。僕自身は、人生は1回きりだと思っているし、持っている体もこれしかないし、今現在、自分が置かれている状況というのも一つしかないわけだから。それらがいくら苦しくても、自分を愛するという選択をしたほうが生きやすいんじゃないか、という思いがあるんだ」
監督「自分を愛せないということは『自分は愛されてもいい存在なんだ』と、自分を説得できないということ。例えば誰かに『あなたを愛している』と言われたとき、自分を愛してくれる人なんているわけがないと、まずそこで壁を1枚作ってしまうんだ。そして、人との関わりが深いレベルでは出来なくなってしまう。そこが悪循環に陥ってしまう理由で……。結局、自分を愛することができないと、誰かを愛することも、人からの愛を受け入れることもできない。それがこの映画の一番大きなメッセージになっている。僕たちみんなが向き合わなくてはいけないことだと思うよ」
取材・文/石塚圭子
作品情報へ