石坂浩二、浅野温子ら豪華俳優陣が集結!『みをつくし料理帖』の第二弾キャストが発表に
『犬神家の一族』(76)や『セーラー服と機関銃』(81)など数多くのヒット作をプロデュースし、自らも『天と地と』(90)などでメガホンをとった角川春樹監督の最新作にして“生涯最後の監督作”と公言している『みをつくし料理帖』(2020年秋公開)の第二弾キャスト発表記者会見が28日に東宝スタジオ内で行われ、本作の主演を務める松本穂香と角川監督、そして若村麻由美、浅野温子、藤井隆、石坂浩二が出席した。
シリーズ累計400万部を突破した高田郁の同名時代小説を原作にした本作。8歳の頃に大坂の町を襲った大洪水で両親を亡くした澪は、江戸の神田にあるそば処「つる家」で“ご寮さん”と呼び慕う元天満一兆庵の女将・芳とともに長屋住まいをしながら料理人として働いていた。ある日澪のもとに、吉原の扇屋で料理番をしている又次がやってくる。又次から、吉原で頂点を極めるあさひ太夫のために看板料理を作ってくれと頼まれたことから、澪の運命の歯車が動き出すことに…。
自身の後押しによって生まれた原作について「10年が経って、いまこの映画を作っていることがとても不思議。自分が想定しなかったドラマがこの映画に生まれています」と万感の思いで述べた角川監督。主人公・澪を松本が演じ、その幼なじみの野江役をテレビドラマ「あなたの番です 反撃編」での怪演が話題を集めている奈緒、又次役を中村獅童が演じることは既報の通り。そして新たに、芳役に若村、長屋の隣人のおりょう役に浅野、戯作者・清右衛門役を藤井、御前奉行の小松原役に窪塚洋介、そして「つる家」の店主を石坂が演じることが明らかに。
石坂は『犬神家の一族』の時の思い出を語りながら「“金田一”ではない角川映画に出させていただくというのが非常に嬉しいと思い、お引き受けいたしました」と笑顔でコメント。『スローなブギにしてくれ』(81)や角川監督の初監督作となった『汚れた英雄』(82)に出演してきた浅野は、原作のファンであることを明かし「角川春樹の最後の監督作品ということで、角川映画に関係がある人にお声をかけていらっしゃって、私にも声がかかりました」と今回のオファーの経緯を振り返る。
また『蒼き狼〜地果て海尽きるまで〜』(07)で角川映画に出演した若村は「(同作で)私は反町隆史さんの母親で、松山ケンイチくんのおばあさんという役を演じました。2人とも立派な役者になられているので、角川映画で私の子どもの役をやるとみんな立派になります」と笑顔を浮かべ「頑張りましょうね」と松本に優しく語りかける。そして角川映画初参戦となる藤井は「まさか角川映画に自分が出ることがあると思っていなかったので光栄です」と10代の頃に角川映画の影響を強く受けたことを明かし、「監督が喜んでくれるものができたらいいなと思っています」と意気込んだ。
角川映画を彩ってきた俳優たちと、新たに角川映画の仲間入りを果たす俳優たちの共演に角川監督は「今回ほど楽しい現場は初めてです」と満面の笑み。「本番になった時に、役者たちが日頃持っているエネルギー以上のエネルギーを感じた。まるで生の芝居を舞台の上で見ているような錯覚を覚えてしまい、撮休のたびに早く現場に戻りたいと初めて思いました」と確かな手応えをのぞかせる。
そして、これまで原田知世や薬師丸ひろ子らを発掘してきた角川監督に対し「松本さんをどうご覧になっているか?」と記者から質問が。すると角川監督は「間違いなく、松本穂香という女優にとっての代表作になると思います」と力強く断言。「本人の大きな成長もありますが、周りの人たちに恵まれていて育ててもらっている。そしてなによりも健気に、彼女が持ってる地の部分がこの映画に見事に反映されている」と、太鼓判を押した。
8月21日にクランクインし現在鋭意撮影が進められている本作は、9月下旬にクランクアップを予定している。本作から届けられる続報に期待しながら、来年秋の公開を待ちたい。
取材・文/久保田 和馬