「クィア・アイ in Japan!」で来日したファブ5を直撃!「日本の人はもっと自分を愛して」
「“ぬるま湯に浸かったまま”だと人間は成長しない」(ジョナサン)
――皆さんがたくさんのマスクをした日本人がいる中で写真を撮られていたのをインスタグラムで見ました。あれは風邪予防というだけではなく、自分に自信が持てない人が顔を隠すために着けていることもあるそうです。
ジョナサン「これは僕たちもよくする話で、心地良い場所、つまり“ぬるま湯に浸かったまま”だと人間は成長しないと思うんだ。だから、もし医学的な理由ではなく、そういった安心感が理由で毎日マスクをつけているのだとしたら、まず『一体なにをそんなに怖がっているの?』『なにから隠れているの?』と自分に聞いてみてほしい。いきなり毎日外すのは難しいと思うから、試しに、火曜日と木曜日だけはマスクを外してみるというのはどうかな。そして自分に聞いてみるんだ。なんでマスクをしたほうが落ち着くんだろうって」
カラモ「今回、日本のヒーローたちと接してみて気づいたのは、彼らの多くが人には見せたくない部分を抱えていることだった。それは、過去に誰かから自分のことを『変だ』とか、『醜い』と言われたりして、傷ついたことが原因だったりする。その“傷”が今度は“恥”に変わって、自分もそのとおりだと思い込んでしまう。今回、ヒーローたちにまずそう思い込んでしまったこと、そしてそれを隠さなきゃいけないと思っていた自分を許してあげていいんだと伝えることが、最初のステップだった。その思い込みから自分を解放してあげていいんだと、自分自身で自覚する必要があるんだ。そこから、抱えている“恥”だったり、“自己否定”を無くすために、別のメッセージに置き換えないといけないということを知ることが大事なんだ。ジョナサンが言うような、小さなことから始めてみるのでもいい」
ジョナサン「僕はこれを、いったん学習したことを意識的に忘れ学び直すこと、つまり“学習棄却”って呼んでいるんだ」
カラモ「そう、学習棄却だ。自分が好きになれる自分の別の部分に目を向けるんだ。人に揶揄されるんじゃないかと自信が持てない部分を抱えていたとしても、自分のことを『美しい』と言ってくれる人たちを周りにおくこと。自信が持てないのは誰だって同じ。ありのままの自分こそが完璧な姿であって、そんな自分を愛するところからすべては始まるんだ」
ボビー「どうしたら自信が持てるようになれるかということに関して、日本の場合、さっき話した謙虚でなきゃいけないという育てられ方の話になるんじゃないかな。それはある程度まではすばらしいことだと思う。でも、日本の人たちは、常にほかの人がどう思うかを気にしている。何度も言うけど、それはすばらしいことなんだよ。でも、同時に個人のなかに抱え込んでしまうものもたくさん産んでしまう。Netflixの『ル・ポールのドラァグ・レース』に登場するママ・ルーの言葉を借りるなら、『自分を愛せなくて、どうやってほかの誰かを愛せるって言うの?』ってこと。だって自分を愛せない人が、結婚相手や家族に愛情を伝えられるわけないでしょ?今回出会ったヒーローたちにもそういう人はいた。どうしても自分を好きになれない人が1人いてね。本当にすてきな人なのに、自分ではそう思えなくて、だから奥さんに対しても愛情を伝えることがなかなかできなかったんだ。でもいまは、自分のすばらしさに気づくことができて、奥さんに対する態度も変わった。本当に最高だったよ!ようやく自分のことを好きになれて、奥さんも彼の愛を感じることができるようになったんだ。だから、そこが唯一日本の文化に欠けている部分だと思う。もっと自分のことを愛していい。まあ、アメリカ人は自分たちのことを愛し過ぎだけどね(笑)」
文/編集部