【連載】『南沙良の 映画と小惑星ふたつぶんくらいの愛』第11回 今月のテーマ:ハロウィン
17歳の演技派、南沙良が「DVD&動画配信でーた」にて「南沙良の 映画と小惑星ふたつぶんくらいの愛 いよいよ壁がなくなるぞー!のテンションで映画を観る」を好評連載中。毎回ぱっと思いついたテーマをもとに、編集部がセレクトした映画を鑑賞。ときに趣味や普段の生活などの話題に脱線しつつ、彼女の素顔が垣間見えるような内容になっている。第11回のテーマは“ハロウィン”、選んだ作品は『E.T.』。南さんが、ハロウィンにいちばんやりたいことは……なぜか、たこパ‼
「ハロウィンのコスプレはカオナシで! 砂金を差し出す動きも再現しますよ」
――世界中で大ヒットした不朽の名作SFです。
「面白かったし、感動もしたんですけど、2つ疑問がありました。死にかけてたE.T.がなぜ急に元気になったのか。なぜエリオットとE.T.は体調がつながってるのか」
――エリオットの愛、とか?
「愛(笑)。うーん…。気にしないように、気にしないようにって観てたんですけど、どうしても気になっちゃって」
――南さんが生まれる20年前の作品です。古さは感じませんでしたか。
「いえ、全然。それより! E.T.の色や肌の質感が…。見てるうちに可愛く思えてくるかなって頑張ったんですけど、最後まで気になって…」
――分かります。ちょっとグロいですよね。エリオットみたいに抱きしめたりは…。
「おさわりは、ちょっと…指くらいなら…(笑)」
――例の有名なシーンですね。
「昔、兄が買ったE.T.の指がうちにあるんです。今回映画を観た後に母とやりました。指と指を合わせて“いつも ここに いるよ”って(笑)」
――37年前の日本でも大流行しましたよ。劇中、E.T.を逃がすくだりは街中がハロウィンに染まっています。
「私も小さい頃、ハロウィンで仮装して、家族と近所にお菓子をもらいに回ってましたよ。お店で買った猫のしっぽをつけて、『トリック・オア・トリート!』って。5年生くらいまではやってました」
――南さんが5年生というと'13年ですか。それ以降は?
「いえ、やってないです」
――むしろ日本ではここ数年のほうがブームでしたが。渋谷や六本木の大騒ぎとか。
「あの感じはちょっと苦手で。ハロウィン自体は好きなんですけど、特に深入りしないで今に至ります(笑)。家で友達とこぢんまり、パーティ形式ならやりたいです」
――パーティでは何をしたいんですか?
「たこ焼きです」
――もはやハロウィン関係ないじゃないですか!
「友達とたこ焼きパーティをするのが夢なんですけど、たこパする口実が見つからないので、ハロウィン・パーティだったら来てくれるかなと」
――普通に「たこパするよー」と誘えばいいのでは?
「快くOKしてくれるとは思えないです。というか、そんなに直球で言えたら、ハロウィンなんていりません!」
――身もフタもないですね。ちなみに、たこ焼きプレートは持ってるんですか?
「いえ。やったことがないからこそ夢なんです。友達と串でクルクルしたい。『何入れる~?』とか言って♪」
――何って…たこですよ。
「そうか(笑)。とにかくハロウィンならコスプレで映えますから、みんな来てくれそう」
――どんなコスプレを?
「『千と千尋の神隠し』(01)のカオナシです! 千尋に砂金を差し出す動きもちゃんと再現しますよ。あとは首から上だけのかぶりもの。ティラノサウルスなんていいですね」
――映えようにも、写真に顔が写らないじゃないですか。
「人前でコスプレするのが恥ずかしいんですよ」
――流行りのゾンビ・メイクなら、顔が分からないですよ。
「落とすのが大変そうだから、塗り物は抵抗があります(笑)」
――たこパが始まった瞬間に洗い物が面倒って言い出すタイプでしょ、南さん。
「はい(笑)」
写真&ひとこと:親子の文字を遠くから見たら餃子に見えます。
最近のイケてる買い物。私だけの星空を購入しました。これ、とってもすごいんですよ…中を覗くと星が一面に広がっていて、いつでも私をロマンチックな気分にさせてくれるレターセットなのです。お気に入りなので常に鞄に装備してます。
取材・文/稲田豊史
2002年6月11日生まれ、神奈川県出身。第18回ニコラモデルオーディションのグランプリを受賞し、同誌専属モデルに。女優としては、映画『幼な子われらに生まれ』(17)に出演し、デビュー作ながらも、報知映画賞、ブルーリボン賞・新人賞にノミネート。その後、行定勲が監督を務めたロックバンド・レベッカの17年ぶりの新曲「恋に堕ちたら」(17)のMVに主演。映画初主演作『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(18)では、第43回報知映画賞、第61回ブルーリボン賞・新人賞、第33回高崎映画祭・最優秀新人女優賞、第28回日本映画批評家大賞・新人女優賞を受賞し、その演技力が高く評価される。全編即興演技に挑んだ主演作『無限ファンデーション』(19)が公開中、主演映画『もみの家』(20)は来春公開。1月に放送された、第30回フジテレビヤングシナリオ大賞・大賞受賞作『ココア』(フジテレビ系)ではドラマデビュー&初主演。“写真”をテーマにした『ピンぼけの家族』でNHKドラマ初出演を果たす('20年3月4日放送)。江崎グリコ「ポッキー」イメージキャラクター。「キリン 午後の紅茶」新イメージキャラクター。