初めてアニメ主人公に挑んだ西野七瀬を監督が大絶賛!「頑張り屋さんで感動しました」
映像作家として多方面で活躍する糸曽賢志が原作・脚本・監督を務めたオリジナルアニメーション『サンタ・カンパニー 〜クリスマスの秘密〜』(公開中)の公開記念舞台挨拶が6日、シネマート新宿にて開催。本作で声優を務めた花澤香菜、近藤雄介、テーマソングを歌う茅原実里、ゲスト声優の小藪千豊。また同時上映の『コルボッコロ』で声優を務める西野七瀬、大森日雅、原奈津子、小見川千明。そして糸曽監督が登壇した。
糸曽監督が2014年に自ら出資して制作し、第27回東京国際映画祭の共催企画「みなと上映会」でも上映された短編アニメーション『サンタ・カンパニー』に追加シーンを加えて大幅リニューアルした本作は、クリスマスが大嫌いな少女ノエルがひょんなことから“サンタ・カンパニー”という会社組織に入社することを決め、プレゼントを配る冒険や恐ろしい敵との戦いの中で働く意味を見つけ出していく物語。
“伝説のトナカイ”の孫のルドルフ三世役を演じた小籔は、最初にオファーをもらったときの心境について「俺でいいんかと思いました」と率直に吐露。そして「実際にやらせてもらうと本当に難しくて、アニメに対して改めてリスペクトが強くなった。いままで挑戦した仕事の中で一番難しい仕事と思いまして、これだったらドラマやモデルの方が簡単だったなと思います」と笑いを誘うと「多分これが最初で最後の(アニメの)仕事だと思います」とコメント。さらにトナカイ役ということで「誰も実際にトナカイが喋ってるところを見たことがないので、そういう部分ではちょっとハードルが下がって楽でした」と振り返った。
一方で、東京アニメアワードやカンヌ国際映画祭など国内外で高い評価を集めた短編をリニューアルした『コルボッコロ』は、様々な文明や宗教が混在する世界を舞台に、不思議な力を持つ巫女の血を継承する14際の少女・鈴が、街の遥か上空に存在する禁断の“開かずの間”に足を踏み入れ、自然の精霊“コルボッコロ”と出会ったことをきっかけに、自分のあるべき姿を考えて進むべき道を模索していくという物語。
久々の声優挑戦で初めてアニメ作品の主人公という大役を務めた西野は「嬉しさと同時に、ちゃんとできるかなという不安の方が大きかった」とオファーが来た時の心境を振り返り、「鈴ちゃんは明るい女の子なので、私が出せる声の中では高めの声を出していたんですけど、無意識に低くなっちゃうみたいで…」と、何度も監督から指摘されたことを告白。「あとはずっと立ちっぱなしで膝が痛くなったので、やっぱり声優さんってすごいなって思いました」と笑顔で語った。そんな西野について、糸曽監督は「本当に頑張り屋さんで、ものすごく努力されていて感動しました」と太鼓判を押した。
そして「この作品をずっと作りたいと思って作り続けて、何年も経って皆さんのところに届けられたことが本当にありがたい」と本作への思いの丈を力説した糸曽監督。「この2作品は微妙に繋がっているんですけど、僕の中ではまだ終わっていない作品。ここにいる皆さんとまたここに立てたら嬉しいなと思います」と、同じメンバーで続編を作っていく意気込みを語っていた。
取材・文/久保田 和馬