NEXTブラッド・ピット?マイケル・B・ジョーダンのプロデューサーとしてのお仕事
ロバート・デ・ニーロやブラッド・ピット、シルヴェスター・スタローンなど俳優としての活躍はもちろん、同時に自身のプロダクションを持ち製作側としても手腕を発揮しているスターがいる。いまそのビッグネームたちに仲間入りを果たそうとしている一人が、マイケル・B・ジョーダンだ。
子役時代にブランドのキッズモデルやテレビシリーズへの出演などを経験したジョーダンは、映画俳優として『クロニクル』(12)や『フルートベール駅で』(13)でブレイクを果たす。その後は「クリード」シリーズでの主演や『ブラックパンサー』(18)の悪役キルモンガーに抜擢されるなど、目覚ましい活躍を遂げていることは言うまでもないだろう。
いま俳優としてノリに乗っている彼は、近年、映画の製作にも力を入れている。自身の製作プロダクション「Outlier Society」を立ち上げると、同社でレイ・ブラッドベリのディストピアSFをフランソワ・トリュフォーが映画化した同タイトル作をリメイクしたテレビ映画『華氏451』(18)やNetflixオリジナルドラマ「レイジング・ディオン」などを製作。また『KIN/キン』(18)や『クリード 炎の宿敵』(18)にも製作総指揮として名を連ねている。
「社会に変化をもたらすことを意識している」と語っており、『フルートベール駅で』などの盟友ライアン・クーグラー監督と共にアフリカ系アメリカ人の立場や現状を強く意識した映画作りを行なってきたジョーダン。その姿勢が色濃く出ているのが、現在公開されている『黒い司法 0%からの奇跡』だ。ジョーダンに加え、ジェイミー・フォックス、ブリー・ラーソンという豪華俳優陣が顔をそろえた本作は、冤罪の死刑囚たちのために奮闘し、140人以上の死刑囚を救ってきた弁護士ブライアン・スティーブンソンの実話を映画化したもの。
黒人への差別が根強い1980年代のアラバマ州を舞台に、無実の死刑囚ウォルター(フォックス)を助けるため、新米弁護士のブライアン(ジョーダン)が、同じ志を持つエバ(ラーソン)と共に様々な妨害に立ち向かいながら、真の正義を獲得しようと差別や不正と戦い続ける姿を描いていく。
ジョーダンは、本作の映画化の理由について「ブライアンは皆に知ってもらうべき英雄」「彼の偉大な功績を大画面で描き、人々に注目してもらうことは僕にとって大切なこと」とインタビューで語っており、映画を通して社会に影響を与えるという彼の志が大きく反映された一作となっている。
今後も、トム・クランシーの原作を監督ステファノ・ソッリマ×脚本テイラー・シェリダンの『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』(18)コンビで映画化する『Without Remorse (原題)』で主演兼製作を務めるほか、『クリード』の3作目の監督も噂されるなど、作り手としてもより活躍が期待できるジョーダンから目が離せない!
文/トライワークス