批評家が選ぶ、レニー・ゼルウィガー出演作ランキング!おすすめの“フレッシュ”な名作10選
代表作を上回る高評価を獲得したのは、レネーがブレイクする前に出演した、隠れた秀作として知られる『母の眠り』。ハリウッドを牽引する大女優メリル・ストリープが演じる母親が病に倒れたことを知り、帰郷する娘エレンを演じたレネー。まったく違う世界で生きてきた母と娘が心を通わせていく様を通して描かれる普遍的な家族のドラマは、世代も国柄も性別も問わず、多くの人の心にしみることだろう。
またほかにはキャリア初期にトム・クルーズと共演し大きな注目を集めた『ザ・エージェント』をはじめ、初めてゴールデン・グローブ賞を受賞したサスペンス・コメディ『ベティ・サイズモア』や、アカデミー賞助演女優賞を受賞した『コールド・マウンテン』も高評価を獲得。いずれも秀逸な脚本が光る作品となっているので、レネーの演技を堪能しながらその卓越した台詞回しや物語の語り口に注目してほしい。
そして、レネーの新たな代表作となる『ジュディ』も82%フレッシュを獲得して上位にランクイン。不朽の名作『オズの魔法使い』(39)で17歳にしてスターダムを駆け上がり、波乱万丈な女優人生を歩み47歳の若さでこの世を去った伝説の女優ジュディ・ガーランドの晩年の物語を描いた同作。幾多のスキャンダルに見舞われ、すべてを失いつつある中で再び輝こうと必死でもがく姿は、女優としてのキャリアの低迷や整形スキャンダルなどが取り沙汰されながらも不死鳥のごとくよみがえったレニー自身とどこか重なるものがある。
先のアカデミー賞の授賞式で、レニーは『ジュディ』を振り返りながら「今回の体験を通して、なんでもできると信じられるようになりました」とスピーチし、女優としての華々しい第二章の幕開けに意欲をのぞかせていた。ここで挙げた10作品を年代順に追っていくだけで、女優のすごさを改めて感じることができるはずだ。是非ともこの機会にチェックしてみてはいかがだろうか。
文/久保田 和馬