超常現象を科学する映画が続々公開!ロドリゴ・コルテス監督の込めた思いとは?
『レッド・ライト』が2013年2月15日(金)より全国公開される。シチュエーションスリラー『リミット』(11)で世界を震撼させた奇才ロドリゴ・コルテスが次にメガホンを取ったのは、ロバート・デ・ニーロらハリウッドを代表する演技派俳優陣を起用したミステリーエンターテインメントであり、新感覚の謎解き映画だ。30年間の沈黙を破り突如、姿を現した伝説の超能力者サイモン・シルバーと、超常現象を暴こうとする科学者チームの息詰まる攻防戦。そこにはセリフ、仕草、さらに緻密に計算された構成のそれぞれが、見るものに認識のズレやミスリードといった脳の錯覚を引き起こさせるトラップが散りばめられている。果たして、サイモン・シルバーの復活に隠された、真っ赤な嘘と真実とは何なのか?
ロドリゴ・コルテス監督は『レッド・ライト』の製作に当たり、疑似科学や超科学、超自然、心霊などに関するリサーチを18ヶ月間行った。その過程で彼は、同じ素材で正真正銘のひたすら怖いホラー映画も作れるのではないかと考えたという。それが自身が脚本・製作を務め、生のリアクションと即興を重視したセリフが話題の映画『アパートメント:143』(公開中)だ。そもそも『レッド・ライト』は「超常現象的なペテンを扱いながら、知覚のメカニズムを探る映画」だとコルテス監督は語っており、緻密な脚本でその世界観へ観客を導いていく作品である。全くアプローチの異なる2作品を同時に手がけることは得策ではないと考えたコルテスは、新人監督にチャンスを与えようと、短編で才能を評価されたカルレス・トレンスを『アパートメント:143』の監督に抜擢した。それは、超常現象ホラー『パラノーマル・アクティビティ』(09)が、スペインはおろか全米公開さえされていない2009年初めのことだった。
そして、コルテス監督は『リミット』で世界的成功を収め、念願の最新作『レッド・ライト』の製作に着手したのである。同じ題材でもコンセプトによって全く趣の異なる作品になる。それこそが、ロドリゴ・コルテス監督の奇才たる所以なのかもしれない。【Movie Walker】