第86回アカデミー賞ノミネート予測第1弾<監督賞編>

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第86回アカデミー賞ノミネート予測第1弾<監督賞編>

2014年1月16日に行われる第86回アカデミー賞ノミネート発表を前に、indiewire.com、goldderby.comなど業界関係者の分析による、カテゴリー別の業界予測をまとめてみた。

監督賞で、まずノミネートが確実視されているのは、作品賞と同様に『ゼロ・グラビティ』のアルフォンソ・キュアロン監督と、『12 Years a Slave』のスティーヴ・マックイーン監督だ。作品賞では、『12 Years a Slave』が優勢ではあるものの、監督賞では五分五分の予想。最後まで結果が読めない展開になりそうだが、長編デビューとなった『ハンガー』(08)で頭角を現し、『SHAME シェイム』(11)で一躍有名になったマックイーン監督が、3作目で監督賞を手にすることができるのか、今後の動向に注目だ。

後を追う『アメリカン・ハッスル』のデヴィッド・O・ラッセル監督は、『ザ・ファイター』(10)、『世界にひとつのプレイブック』(12)で立て続けに賞レースに参加しているが、本人は未だ無冠のまま。代わりに俳優たちが受賞しており、これまでは徹底した裏方に回ってきた中で、3度目の正直となるか。

他の監督候補も作品賞のノミネートとダブっており、『キャプテン・フィリップス』のポール・グリーングラス監督、『Inside Llewyn Davis』のコーエン兄弟監督、『Nebraska』のアレクサンダー・ペイン監督、『HER』のスパイク・ジョーンズ監督、『ブルージャスミン』ウディ・アレン監督、『ウォルト・ディズニーの約束』ジョン・リー・ハンコック監督、『大統領の執事の涙』のリー・ダニエルズ監督などの大御所が後を追う形となっており、今年も、ベテラン監督が5席を巡って大接戦を繰り広げることになりそうだ。また、レオナルド・ディカプリオ主演作『ウルフ・オブ・ウォールストリート』は日本での公開延期が先日発表されたが、全米公開は当初の11月15日から12月25日に急きょ変更となり、マーティン・スコセッシ監督も有力候補として改めて賞レースに参戦することになった。

作品賞で紹介した通り、各賞ノミネート有力候補だった第2次世界大戦ドラマ『ミケランジェロ・プロジェクト』の公開が来年に延期されたため、監督賞のノミネートでも有力だったジョージ・クルーニーがリストから外された。この1席を、幸運な誰かが奪うわけだが、昨年はアカデミー会員から嫌われていた『アルゴ』(12)のベン・アフレックの代わりに『ハッシュパピー バスタブ島の少女』(12)の新鋭ベン・ザイトリン監督が、他の有力候補者を抑えて監督賞にノミネートされるという大どんでん返しが起きており、上記監督ではなく、『Enough Said』のニコール・ホロフセナー監督や、『The Past』のアスガル・ファルハーディー監督など、作品賞にノミネートされる可能性のあるインディペンデント系作品から、思わぬ監督がノミネートされる波乱も含んでいる。【NY在住/JUNKO】

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