福山雅治、芸能記者は「大変な仕事」と感服
「日本一撮られない男」と言われる福山雅治が、映画『SCOOP!』(10月1日公開)ではなんとパパラッチ役にトライ!「撮る側」「追う側」として、あらゆる手段を使って芸能スキャンダルを追いかけている。福山にインタビューし、パパラッチを演じた感想を聞いた。
原田眞人監督作『盗写1/250秒』を原作に、中年カメラマン・静が、コンビを組むことになった新人記者・野火とともにスクープを連発していく様を描く本作。かつては凄腕カメラマンだったものの、今や落ちぶれて芸能スキャンダル専門のパパラッチとなった都城静役を、福山が演じる。
大根仁監督は写真週刊誌の編集部に極秘取材を敢行。実際に張り込みも体験したとか。福山は「いつもは撮られる側なので、どういう撮り方をしているのかには常に興味があった」そうで、大根監督の取材模様を収めたDVDも参考にパパラッチ役を研究し、役作りに励んだという。
いつもは「追いかけてくる」彼らの仕事に対しては、「改めて、大変な仕事だなと思いました」とじっくりと語る。「事前の情報や洞察力など、かなり勉強していないとできない仕事。例えばスクープカメラマンが紛争地帯や戦場に行った時は、まずそこにいる兵士が正規軍かゲリラ軍かを見極めるそうなんですが、それは持っている銃で見分けるそうなんです。そうしないと自分の身も守れないし、写真も撮れない。“撮る”というゴールに向かうためには、大変な準備がいるんです」。
それは「芸能も同じだ」と続ける。「下調べやタレコミ含め、仕込みや準備がすごく大事。大変な作業だと改めて思いました。だからといって、『ご苦労様です』と言ってお茶を出すことはしません(笑)。出してもいいんですが、向こうも困ると思いますし(笑)」。
劇中では、静と野火が驚くような手段でスクープを連発していく。彼らのコンビネーションも見どころだが、野火を演じた二階堂ふみには「なんでも受け入れてくれる女優さん」と絶対的な信頼を寄せる。「何をやっても野火として受け止めて、返してくれる。ふみちゃんのなんでも受け止めてくれる芝居が、静を作ってくれたと思います。若いのにマインド的には32、33歳くらいの感覚があって。素晴らしかったですよ」。さらに「いろいろなことに造詣が深くて、話題も豊富。若い女優さんだからと気をつかう必要もないんです」と現場でたくさんの会話を交わしながら、静と野火の距離感を見事に体現した。
静は無精髭を生やし、髪もボサボサ。スマートなイメージの福山が静を演じて、芸能スキャンダルを追いかけるのだから、「キャスティングの妙」とはまさにこのこと。ぜひ、スクリーンで楽しんでほしい。【取材・文/成田おり枝】