映画ランキング - 国内映画
(2023/12/22~2023/12/24)
2023年12月25日
発表(毎週火曜更新)
2023年12月22日~2023年12月24日に日本国内で上映された映画の観客動員数ランキングはこちら。『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』『ウィッシュ』『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』などがランクイン!(興行通信社調べ)
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集英社の漫画アプリ「少年ジャンプ+」で連載中の同名コミックを原作とするテレビアニメ「SPY×FAMILY」の劇場版。原作者の遠藤達哉が監修とキャラクターデザイン原案を手掛けたオリジナルストーリーで、テ···もっと見る
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戦時中にタイムスリップしてしまった女子高生と特攻隊員のせつない恋を描いた汐見夏衛の小説を実写映画化。『光を追いかけて』の成田洋一がメガホンをとり、NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」の福原遥、「中学聖···もっと見る
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12月22日から12月24日の全国映画動員ランキングが発表。クリスマスシーズンで大にぎわいを見せた全国の映画館でひときわの人気を集めたのは、やはり「SPY×FAMILY」の初の劇場版作品となった『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』(公開中)だ。
完全オリジナルストーリーとして展開する『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』は、IMAX50館を含む全国433館で公開を迎え、初日から3日間で観客動員数86万6436人、興行収入12億2420万8280円を記録。これは2月に公開された『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』(23)を上回り、2023年に公開された作品としては第4位のオープニング成績となる。
遠藤達哉原作の「SPY×FAMILY」は、世界各国が熾烈な情報戦を繰り広げている時代を舞台に、敏腕スパイの“黄昏”が“オペレーション<梟(ストリクス)>”という任務を遂行するために精神科医のロイド・フォージャーと名乗り、エスパーの少女アーニャと凄腕の殺し屋ヨル、そして未来予知犬のボンドと共に“仮初めの家族”として生活しながら様々なハプニングを乗り越えていく姿を描いた物語。
2019年に「少年ジャンプ+」で連載がスタートするや大きな反響を集め、数々のマンガ賞を受賞。現在までの総PV数は6億を超え、コミックスのシリーズ累計発行部数は3400万部以上。2022年にテレビ東京系列でテレビアニメ版が放送されるとさらにその人気は急拡大を見せ、同年の「ユーキャン新語・流行語大賞」にノミネートされたりミュージカル化燃されるなど社会現象級に。2023年10月からはテレビアニメのSeason2も放送され、ちょうど12月23日に最終話を迎えたばかり。
この劇場版では、家族旅行に出掛けるフォージャー家の面々。その道中でマイクロチップ入りのチョコレートをアーニャが飲み込んでしまったことをきっかけに、世界の命運をかけた数々のハプニングに立ち向かうことになるというストーリーが展開。(心を読めるアーニャを除き)それぞれが互いの素性に気付いていないというユニークな設定に、それを存分に活かしたコミカルな掛け合いは劇場版でも健在。
また、彼らが家族として徐々に絆を深めていくドラマ性も、今作の見どころの一つとなっている。そしてテレビアニメ版でも話題を呼んだド派手なアクションシーンは、劇場版スケールとなってさらに迫力満点な仕上がりに。あらゆる面でパワーアップしていることによって、“劇場版”であること、そして映画館で観ることの意義を存分に感じることができるだろう。
この数年、“少年ジャンプ”系マンガのアニメ映画化作品は、目を見張るほどのメガヒットを連発している。日本歴代興収ランキング第1位にまでのぼり詰めた『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(20) を皮切りに、『呪術廻戦0』(21)、『ONE PIECE FILM RED』(22)、そして『THE FIRST SLAM DUNK』(22)と、その顔ぶれは1990年代に社会現象を巻き起こした作品のリバイバルから近年の連載作品まで幅広い。いずれの作品にも共通していることは、原作の熱心なファンに限らず、世代も性別も問わずあらゆる層に間口が向けられていることに他ならない。
そうしたジャンプ作品の強みを存分に活かした作り込みは『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』でも見受けられ、先述の錚々たる作品群に加わるだけのポテンシャルを有していることが輝かしい初動成績で裏付けられたといえよう。あとは今後この数字をどこまで伸ばすことができるのか。興収100億円の大台に乗るためには、まずは年明け後もしばらくランキング上位に君臨することが重要なミッションとなる。
再びランキングに戻ると、前週のトップ3作品である『ウィッシュ』(公開中)、『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』(公開中)、『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』(公開中)は、いずれも一つずつランクを落としたものの、順調な興行を続けているようだ。
ディズニー100周年記念作である『ウィッシュ』の2週目の週末3日間の成績は25万7000人、興収は3億6900万円で、累計成績では動員86万6000人、興収12億2200万円に到達。近日中に動員100万人の大台に突入することはほぼ確実となっている。
そんな『ウィッシュ』と接戦を演じたのは、3位の『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』。公開3週目の週末3日間成績は、動員24万4000人、興収3億1000万円で、いずれも前週比80%以上をキープ。累計成績では動員124万3000人、興収15億8500万円を突破した。
『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』のサプライズヒットは、この2023年末の大きなトピックの一つでもある。定期的にヒット作が生まれる純愛映画というジャンル性もさることながら、同じタイミングに若者をターゲットにした実写映画が少ないこともプラスに働いていると考えることができる。
それは公開6週目にしてトップ5に返り咲きを果たした『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』(公開中)も同様。アニメ作品は他にも数多く公開されているなか、「ゲゲゲの鬼太郎」という国民的作品を背景にしたキャッチーさと大人向けのダークな作風が、現在公開中の他のアニメ作品と一線を画しているのは一目瞭然。すでに累計動員は114万人、興収は16億円を突破。年末年始にかけてこの2作品がどのような推移を見せるのか、大いに注目しておきたい。
さて、新作では現在放送中の「仮面ライダーガッチャード」と前作「仮面ライダーギーツ」がクロスオーバーを果たした『仮面ライダー THE WINTER MOVIE ガッチャード&ギーツ 最強ケミー★ガッチャ大作戦』(公開中)が6位にランクイン。また、ドイツの名匠ヴィム・ヴェンダース監督と役所広司がタッグを組んだ『PERFECT DAYS』(公開中)は9位からのスタートとなった。
以下は、1~10位までのランキング(12月22日〜12月24日)
1位『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』
2位『ウィッシュ』
3位『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』
4位『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』
5位『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』
6位『仮面ライダー THE WINTER MOVIE ガッチャード&ギーツ 最強ケミー★ガッチャ大作戦』
7位『パウ・パトロール ザ・マイティ・ムービー』
8位『ゴジラ-1.0』
9位『PERFECT DAYS』
10位『翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜』
2023年最後となる今週末はクエンティン・タランティーノとロバート・ロドリゲスがタッグを組んだカルト的人気作『グラインドハウス』(07)に登場したイーライ・ロス監督によるフェイク予告編を、ロス監督自らが長編映画化した『サンクスギビング』(12月29日公開)などが公開を控えている。
文/久保田 和馬
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