映画ランキング - 国内映画
(2024/3/15~2024/3/17)
2024年3月18日
発表(毎週火曜更新)
2024年3月15日~2024年3月17日に日本国内で上映された映画の観客動員数ランキングはこちら。『変な家』『映画ドラえもん のび太の地球交響楽』『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』などがランクイン!(興行通信社調べ)
-
2
藤子・F・不二雄の生誕90周年記念作品で、「ドラえもん」長編映画シリーズ第43作。音楽をテーマに、地球の危機を救うため、ドラえもんとのび太たちが繰り広げる大冒険を描く。監督は『映画ドラえもん のび太の···もっと見る
-
1
バレーボールに全力を注ぐ高校生たちの熱い青春ドラマを描いた古舘春一による「ハイキュー!!」の劇場版 FINALシリーズ第1弾。アニメシリーズに続き、Production I.Gがアニメーション制作を担···もっと見る
-
NEW
惑星デューンを舞台に繰り広げられる壮大な宇宙戦争を描くSFアクション第2弾。主人公ポール役のティモシー・シャラメやチャニ役のゼンデイヤ、レベッカ・ファーガソンら前作キャストに加え、『エルヴィス』のオー···もっと見る
-
NEW
宮崎駿監督が少年時代に母から手渡された同名小説『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎著)にインスパイアされ、オリジナルの物語に自身の少年時代を重ねた自伝的ファンタジー・アニメーション。舞台は宮崎監督の記···もっと見る
-
4
遺伝子調整され生まれながらにして優れた身体能力や頭脳を持つコーディネイターと自然のまま生まれたナチュラルが存在する時代、C.E.(コズミック・イラ)を舞台にした「機動戦士ガンダム SEED」の劇場版。···もっと見る
3月15日から3月17日までの全国映画動員ランキングが発表。いよいよ本格的に始まる春休み興行を目前に、洋画・邦画の注目タイトルが続々と公開を迎えたこの週末はまさに大激戦。それらを迎え撃つ『映画ドラえもん のび太の地球交響楽』(公開中)と『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』(公開中)の“2強”を封じ込め、なんと『変な家』(公開中)が初登場でNo. 1に輝いた。
『変な家』の初日から3日間の観客動員は34万4000人、興行収入は4億7400万円。これは今年公開された実写の日本映画最高のオープニングを記録した『ゴールデンカムイ』(公開中)の初日から3日間の動員(35万6000人)に迫る好発進。一気に春休み興行のダークホースに名乗りを挙げたといっても過言ではないだろう。
「リーガルハイ」などの人気ドラマを手掛けてきた石川淳一監督がメガホンをとり、間宮祥太朗と佐藤二朗がダブル主演を務めた本作は、謎のクリエイター雨穴のウェブメディア記事とYouTube動画を入り口に、その続編として発表された小説を原作としている。そのウェブメディア記事はちょうど、『事故物件 恐い間取り』(20)がヒットしていた頃に発表されたもので、いわば“不動産ミステリー”という新たなジャンルのはしりともいえよう。
それでも2強を破るスタートを飾ったことは意外中の意外。この1年間で初登場No. 1を飾った実写日本映画は、人気漫画を原作とした『ゴールデンカムイ』と『ミステリという勿れ』(こちらにはテレビドラマの劇場版という強みもある)、国民的シリーズである『ゴジラ-1.0』(公開中)、そして『わたしの幸せな結婚』と今回の『変な家』の5作品のみ。小説を原作としつつ、コミカライズされ、朗読劇も作られるというメディアミックスの広さという観点から見れば、『わたしの幸せな結婚』と『変な家』は作品のタイプも客層もまるで異なるが通じている。
アニメ作品が圧倒的に強いいまの時代で実写作品が輝くために必要なものは、やはり“作品・コンテンツの知名度”だということが、今回の結果で改めて証明されたようにも思える。あとはこの初動のインパクトをどこまで、かつどうやって持続させられるのかどうか。ウェブメディア記事から始まったというイレギュラーな根っこを持つこのダークホースの登場は、日本映画の持続可能性を考えるうえでなかなか興味深いものがある。
一方、公開3週目を迎えた『映画ドラえもん のび太の地球交響楽』は、前週と同じく2位をキープ。週末3日間の成績は動員28万8000人、興収3億5300万円と、どちらも前週比70%を保っており、累計成績では動員141万人、興収17億円を突破した。
また、公開5週目で3位となった『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』は週末3日間で動員24万5000人、興収3億6300万円と、興収では『映画ドラえもん』を上回ることに成功。累計成績では動員491万人、興収70億円を突破。3月23日(土)からは入場者プレゼント第3弾「烏野×音駒 メモリアルブック」の配布が決定しており、次週末での首位奪還を虎視眈々と狙っている。
今週は他にも3本の新作がランクイン。5位に初登場を果たしたのは、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督がフランク・ハーバートの壮大なSF小説を映画化した第2弾『デューン 砂の惑星PART2』(公開中)だ。
日本よりもひと足先に公開を迎えたアメリカなど72の国と地域では、前作『DUNE/デューン 砂の惑星』を大きく上回るスタートを飾り、批評面でも大成功を収めている同作。日本でも公開初日から3日間で興収1億9698万円。先週末に3日間限定で行われた先行上映の成績も加味すると動員13万7838人、興収2億4919万円と、前作対比120%のスタートを飾っている。
全編IMAX撮影が敢行された映像絵巻として大きな注目を集めている同作は、世界各国で総興収に占めるIMAX興収の割合が極めて大きい。それは日本国内でも同様で、海外メディア「Deadline」の報道によれば日本のオープニング週末興収の45%をIMAXでの上映が占めているとのこと。今週のランキング上位3作品が互いにしのぎを削るなか、『デューン2』のライバルは最終興収7億6500万円を記録した前作であり、そこに立ちはだかる壁は同じIMAX上映での期待値が高いアカデミー賞受賞作『オッペンハイマー』(3月29日公開)ということになるだろう。
同じく初登場作品では、コミックスの累計発行部数210万部を超えた藤ももの同名漫画を宮世琉弥と原菜乃華のダブル主演で実写映画化した『恋わずらいのエリー』(公開中)が6位に、「怪盗グルー」シリーズで知られるイルミネーション・スタジオの最新作『FLY!/フライ!』(公開中)が7位にランクインしている。
そして先日発表された第96回アカデミー賞で、日本映画初の視覚効果賞を受賞する快挙を成し遂げた『ゴジラ-1.0』がランキング圏外から一気に4位に浮上。累計成績では動員420万人、興収64億円を突破。また、同じく長編アニメーション映画賞に輝いた『君たちはどう生きるか』(公開中)も8位に急浮上を果たし、こちらは累計成績で動員612万人、興収90億円を突破した。
以下は、1~10位までのランキング(3月15日〜3月17日)
1位『変な家』
2位『映画ドラえもん のび太の地球交響楽』
3位『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』
4位『ゴジラ-1.0』
5位『デューン 砂の惑星PART2』
6位『恋わずらいのエリー』
7位『FLY!/フライ!』
8位『君たちはどう生きるか』
9位『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』
10位『マッチング』
今週末は川村元気の同名小説を佐藤健、長澤まさみ、森七菜の共演で映画化した『四月になれば彼女は』(3月22日公開)、浅野いにおの人気漫画をアニメーション映画化した2部作の前章『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章』(3月22日公開)などが公開を控えている。
文/久保田 和馬
このランキングのニュースを読む