映画ランキング - 全米映画
(2024/6/14~2024/6/16)
2024年6月17日
発表(毎週火曜更新)
2024年6月14日~2024年6月16日にアメリカで上映された映画の興行収入ランキングはこちら。『インサイド・ヘッド2』『バッドボーイズ RIDE OR DIE』『猿の惑星/キングダム』などがランクイン!(Box Office Essentials調べ)
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NEW
週末興収$155,000,000
累積興収$155,000,000
誰も目にしたことがない頭のなかの感情たちの世界を描き、第88回アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞したディズニー&ピクサー作品『インサイド・ヘッド』の続編。『モンスターズ・ユニバーシティ』のストーリ···もっと見る
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1
週末興収$33,000,000
累積興収$112,240,120
ウィル・スミス&マーティン・ローレンス共演による刑事アクションシリーズ第4弾。マイアミ市警の名物コンビ、マイクとマーカス。そんな彼らの上司だった亡きハワード警部に麻薬カルテルと関係があったという汚職疑···もっと見る
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5
週末興収$5,200,000
累積興収$157,804,082
「猿の惑星」の起源を描くリブートシリーズ第4作。主人公のノアを演じる『To Leslie トゥ・レスリー』のオーウェン・ティーグをはじめ、「ウィッチャー」のフレイヤ・アーラン、「シェイムレス 俺たちに···もっと見る
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2
週末興収$5,000,000
累積興収$78,524,610
ねこのキャラクター、ガーフィールドが主人公の3Dアニメ映画。飼い主ジョンに愛され幸せに暮らす家ねこのガーフィールドは、ある日、生き別れた父さんねこヴィックと再会する。悪いねこに追われているというヴィッ···もっと見る
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3
週末興収$3,450,000
累積興収$100,901,432
子どもにしか見ることのできない空想の友だちと少女の物語を描くファンタジー。「ウォーキング・デッド」のケイリー・フレミングが少女ビーを、「デッドプール」のライアン・レイノルズがビーの隣人を演じるほか、『···もっと見る
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6
週末興収$2,425,000
累積興収$63,125,707
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』に登場した女戦士フュリオサの過去を描くアクション。「クイーンズ・ギャンビット」のアニャ・テイラー=ジョイが主演を務め、若き日のフュリオサを演じる。また「マイティ・···もっと見る
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10
The Strangers: Chapter 1
公開未定-0週末興収$760,000
累積興収$33,896,299
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8
週末興収$632,910
累積興収$3,089,655
世界的ベストセラー小説「指輪物語」を、「乙女の祈り」の鬼才ピーター・ジャクソンが映画化した3部作の第1弾が登場。世界を滅ぼす魔力を秘めた、伝説の指輪をめぐるファンタジーだ。
すっかり元気を失っていた北米のサマーシーズンに、ようやく救世主が現れた。先週末の北米興収ランキングは、ディズニー/ピクサーの最新作『インサイド・ヘッド2』(8月1日日本公開)が抜群のスタートダッシュを決めてNo.ワンを獲得。この一本の特大ヒットだけで「いつものサマーシーズンらしくなってきた」とはまだ言えないかもしれないが、少なくともいまの北米映画興行においては、かなり大きな出来事であると断言できよう。
ディズニー系のアニメ作品としては『アナと雪の女王2』(19)と並ぶ歴代2位タイ(1位は『トイ・ストーリー4』)の4440館という大規模で封切られた『インサイド・ヘッド2』の初日から3日間の興行収入は1億5420万ドル。これは歴代25位のオープニング成績であり、アニメーション映画としては『インクレディブル・ファミリー』(18)の1億8268万ドルに次ぐ歴代2位となる。
2015年に公開され、北米最終興収3億5646万ドルの大ヒットを記録した前作のオープニング興収が9044万ドルだったので、対比170%という驚異的な伸び率。ここのところ閑散期が続いていたこともあって、事前の予測では9000万ドル前後のオープニングになるとみられていたが、木曜日のプレビュー上映のあたりから上方修正に上方修正を重ね、結果的に『バービー』(23)以来まる一年ぶりとなる1億ドル超のオープニングを飾ることに。まさにディズニー/ピクサーの底力だ。
前作は海外興収が5億ドルを突破しており、全世界での累計興収は8億5761万ドル。今作は公開から5日目の段階で早々に北米累計興収2億ドルを突破しており、これは前作よりも1週間ほど速いペース。海外興収もすでに2億ドルに楽々と到達しており、現時点で2024年公開作の全世界興収ランキングで4位にランクイン。前作が成し得なかった“10億ドル突破”はほぼ確実との声もあがってきている。
期待されてきた大作が伸び悩むケースが相次いでいる2024年の映画興行。このサマーシーズンはメガヒット確実の『怪盗グルーのミニオン超変身』(7月19日日本公開)の独壇場になるとの見立てもあったが、これで一気に“一騎打ち”ムードが高まりをみせることだろう。同作の公開までにどれだけ興収を積み上げることができるかが、『インサイド・ヘッド2』に課せられた大きなミッションであろう。
ちなみに作品評価を批評集積サイト「ロッテン・トマト」でチェックしてみると、前作が批評家からの好意的評価98%、観客からの好意的評価89%だったのに対し、今作は前者が92%と後者が96%。批評家からの評判は前作に届かなかったが、それでも非常に高い。少なくともこのサマーシーズンの救世主となったことで、来年のアカデミー賞の長編アニメーション賞入りは当確状態とみてもよさそうだ。
賞レースではイルミネーション作品はあまり相性がよろしくなく、そちらで強敵となるのは同じディズニーの『モアナと伝説の海2』(12月6日日本公開)か、Netflixとアードマンがタッグを組んだ『Wallace & Gromit: Vengeance Most Fowl』か。日本勢からはアヌシーで大絶賛を浴びた『化け猫あんずちゃん』(7月19日日本公開)が有力視されていたり、『リンダはチキンがたべたい!』(24)などのアートアニメもかなり層が厚くなりそうで、例年以上の大激戦が予測されている。
興行面でも批評面でも、しばらくは『インサイド・ヘッド2』で話題が尽きることはなさそうだ。
文/久保田 和馬
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