『ダ・ヴィンチ・コード』知的好奇心をあおる!社会現象を巻き起こした謎解きに再挑戦
全世界で論争を巻き起こした、ダン・ブラウンのベストセラー小説を映画化したミステリー『ダ・ヴィンチ・コード』(06)がBSテレ東にて、本日19時30分より放送されている。日本でも大ヒットを記録し、原作、映画共に社会現象を巻き起こすほど大きな話題を集めたが、そのあまりに複雑で情報量が多い内容ゆえ、理解しきれなかった…という人も多いのではないだろうか。そこで、作品を読み解く重要なカギとなるポイントを、あらためて整理しておきたい。
奇妙な死体、聖杯、怪しい登場人物たち…
事件の発端となるのは、ルーヴル美術館で起きた館長の殺害事件。現場に呼ばれた宗教象徴学者ラングドンは、館長の孫娘で暗号解読官でもあるソフィーと共に、歴史を揺るがす驚愕の事件に巻き込まれていく。のっけから衝撃的なのは、全裸で手足を広げ、胸には血で五芒星が描かれた奇妙な死体の姿。それは、レオナルド・ダ・ヴィンチの素描「ウィトルウィウス的人体図」を模したものだった…。ダ・ヴィンチに謎が隠されているとにらんだラングドンとソフィーは、絵画「モナ・リザ」、「岩窟の聖母」に遺されていた暗号をたどり、館長がメンバーだったとされる「シオン修道会」と事件のかかわりを調べていく。
「シオン修道会」とは、ラングドンいわく、イエス・キリストの「聖杯」を見つけるため「テンプル騎士団」を組織していた秘密結社。多くの聖杯伝説が語り継がれるなかで、よく知られる「聖杯」とは、イエスが最後の晩餐の時に使った“杯(カップ)”のこと。本作では「聖杯」が、イエスの血統の秘密を握っているものであり、さらにその秘密が、ダ・ヴィンチの代表作である絵画「最後の晩餐」に示されていると導く。
主な登場人物は、ラングドンとソフィーに加え、ソニエール殺害の容疑者としてラングドンを疑う刑事ベズ・ファーシュ、ラングドンの友人で宗教史学者のリー・ティービング。そして、事件の背後で怪しい動きを見せる「オプス・デイ」の司教マヌエルと、修道僧シラス。「オプス・デイ」は、実在するカトリック一派の組織だが、本作では、シラスが揺るがぬ信仰心から凶行に及んでしまうなど、スキャンダラスな存在として描かれる。
パリ、ロンドン、チューリッヒにも及ぶ謎解きの舞台には、パリのルーヴル美術館をはじめ、ロンドンのテンプル教会やウェストミンスター寺院など、観光名所としても知られる著名な建築物が次々に登場。それらにも様々な謎を解くカギが隠されているのだから、なんとも周到すぎる。
謎が謎を呼ぶ…物議をかもした真実とは!?
ラングドンとソフィーの持ち前の頭脳をもって成り立つミステリーとも言えるだろう。だが、実在の場所や芸術作品、宗教トリビアがふんだんに盛り込まれているだけに、次々と明かされる事柄は“一体どこまでが本当で、どこからが嘘なのか”という知的好奇心を大いに刺激させられるのが本作の醍醐味。キリスト教のタブーに踏み込んだとして大きな物議をかもした「聖杯の真実」も、結局“信じるか信じないかは、あなた次第”なのだ。
主人公ラングドンを演じるのは、新型コロナウイルス罹患から復活したニュースも記憶に新しいトム・ハンクス。本作に続き、ラングドンに扮したシリーズ『天使と悪魔』(09)、『インフェルノ』(16)も製作されるハマリ役となった。
ソフィ―役には『アメリ』(01)のオドレイ・トトゥが扮するほか、刑事役に『レオン』(94)のジャン・レノ、“オプス・デイ”の信者シラス役に「アベンジャーズ」シリーズのビジョン役で知られるポール・ベタニー、そして聖杯の謎に詳しい宗教学者リーを「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズの名優イアン・マッケランが演じている。豪華実力派キャストの競演が、作品にさらなる厚みと見応えをもたらす本作。観逃していたという人も、一度この謎に編弄されてみてほしい。
文/トライワークス
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