海外ドラマ好きは「連続ドラマW しんがり~山一證券 最後の聖戦~」のココに注目!【レコメンW】
映画並みのスケールと、海外ドラマばりの中毒性…そんなドラマ、観たくありませんか?
WOWOWが贈るオリジナルドラマには、映画ファンや海外ドラマファンが、日本のテレビドラマに感じてきたであろう“物足りなさ”を払拭するような作品が目白押し。
この連載企画「レコメンW」では、映画ファンの代表として映画プラットフォーム「MOVIE WALKER PRESS」の編集部、海外ドラマファンの代表として雑誌「DVD&動画配信でーた」の編集部がタッグを組み、必見のWOWOWのオリジナルドラマをレコメンドしていきます。
「日本のドラマはあんまり…」と思っている映画ファンも、海外ドラマファンも、この連載を読めばWOWOWのオリジナルドラマの魅力に気づくこと間違いなし。第5回となる今回は、「DVD&動画配信でーた」編集部の西川が「連続ドラマW しんがり~山一證券 最後の聖戦~」(全6話)の必見理由をご紹介します!
WOWOWのオリジナルドラマ「連続ドラマW」って?
WOWOW独自のドラマ製作プロジェクトとして2003年にスタートした長編ドラマ枠「ドラマW」。市川崑監督や大林宣彦監督ら日本映画界のレジェンドたちが手掛けた作品は大きな話題を呼び、2008年からは連続ドラマ枠「連続ドラマW」の製作も開始。濃密な人間ドラマから骨太な社会派ドラマ、映画スケールのアクションや本格ミステリーなど幅広いジャンルの作品を次々と生みだし、これまで「東京ドラマアウォード」や「日本民間放送連盟賞」など数多くの賞を受賞している。
今回レコメンドするのは「連続ドラマW しんがり~山一證券 最後の聖戦~」
1997年11月、四大証券と呼ばれていた証券会社のひとつ、山一證券が自主廃業に追い込まれた。日本の経済史上はもちろん、社会的にも大きな注目を浴びたこの事件を題材にしたのが「連続ドラマW しんがり~山一證券 最後の聖戦~」だ。約2600億円の簿外債務を生み出し、経営破綻となったその原因を追究し、顧客への清算業務を続けた社員たち。彼らは社内からは「場末」とも呼ばれる部署にいたが、最後の最後まで留まって一切の処理を片付けた…。まさに“しんがり”とも言える働きをした者たちの孤軍奮闘を描く。主演を務めるのは、『コンフィデンスマンJP プリンセス編』(公開中)、『孤狼の血』(18)など、高い演技力でジャンルを問わず存在感を放つ江口洋介。共に闘う仲間には萩原聖人、林遣都、勝村政信らが名を連ね、全ての元凶を作った会長役に岸部一徳など個性あふれる実力派俳優たちが集結。『Fukushima 50』(公開中)や『沈まぬ太陽』(09)など、骨太な社会ドラマを得意とする若松節朗がメガホンを取っている。
物語は1997年4月、山一證券の常務・梶井(江口洋介)が、業務監理(=ギョウカン)本部長に就任するところから始まる。ギョウカンは、社内監査を行う部署だが、本社から離れたビルにあり、左遷社員も多いところから「場末」と揶揄されていた。そんな中、大蔵省証券取引など監視委員会(通称SESC)の立ち入り検査が入る。当時、金融業界は大物総会屋への利益供与問題で大きく揺れ、山一證券にも捜査のメスが入ったのだった。会長の有原(岸部一徳)は調査に対して余裕の表情だったが、副社長の片瀬(光石研)は不安な表情を浮かべ、その様子に梶井らは上層部が何かを隠しているのではないかと疑う…。
ちょうど事件が起きた年は、山一證券にとって創業100周年の年だった。当時、日本の誰もが山一證券が経営破綻に追い込まれるとは予想すらしなかったことだろう。ましてや、そこで高卒で就職して以来、勤め続けてきた梶井やその仲間たちは会社がなくなる日が来ることは晴天の霹靂だったに違いない。会社への憤りを感じつつも、最後の日まで闘い続けた社員たちの熱き姿を描くヒューマン・ドラマ。そんな本作の見どころになる3つのポイントを、共通する要素を持つ海外ドラマと共に紹介し、レコメンドしていこう。