これこそが『ロード・オブ・ザ・リング』の完成形!“エクステンデッド版”より合計120分(!)超えの未公開シーンを解説
『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』
フロドとサムは二人でモルドールへ向かう決意をし、ウルク=ハイとの戦いでボロミアが討たれ、メリーとピピンも敵にさらわれてしまうなど、離ればなれとなった旅の仲間。アラゴルンとレゴラス、ギムリはメリーたちを救うためウルク=ハイの一団を追うが、その途中で人間の国、ローハンへ辿り着き、大軍をそろえた白のサルマン(クリストファー・リー)との全面戦争に突入する。
指輪に執着するゴラム
奈落へ落ちたガンダルフとバルログとの、落下しながらの死闘で幕を開ける第二部。フロドとサムは二人だけの旅を続けており、エルフのロープで崖を下るシーン、エルフの携帯食、レンバスを分け合うシーンなどが追加されている。その後、二人は指輪に執着するゴラム(アンディ・サーキス)を捕らえ、彼にモルドールへの道案内をさせることに。「モルドールへ行きたくない」と反対する別人格とゴラムが議論する様子も新たに確認できる。
サルマンの脅威…瀕死のセオドレド
ローハンではサルマンの暴虐によって各地で虐殺が行われており、王であるセオデン(バーナード・ヒル)もサルマンの間者グリマ(ブラッド・ドゥーリフ)によって生気を奪われていた。エクステンデッド版には、“アイゼンの浅瀬の合戦”というセオデンの息子セオドレド(パリス・ホウィ・ストレウィ)率いるローハン兵が、サルマンの軍勢に敗退したあとが描かれている。大勢の戦死者のなかから瀕死のセオドレドを発見したセオデンの甥エオメル(カール・アーバン)が、彼を王都エドラスへ運び込むのだが…。
木の髭との出会い
ウルク=ハイから逃げだしたメリーとピピンは、ファンゴルンの森でエント族の木の髭と出会う。木の髭の寝床(?)と思われる場所へ運ばれた二人は、彼が留守の間に、身長が伸びる(とメリーが思い込んだ)水の入った瓶を巡ってはしゃぎ回り、動く大木の根に捕まり身動きができなくなってしまう。そこへ、木の髭が現れ、大木をおとなしくさせ、二人を助けだしている。このシーンについて、原作で大木にホビットが捕まるのは、ホビット庄を出たばかりのころで、古森という場所になっている。メリーたちを助けるのも、トム・ボンバディルという不思議な存在なのだが、上映時間短縮のためトムを登場させることができず、代わりのこの場面が撮影されたと思われる。
セオデンの復活、角笛城での戦いへ
“白の魔法使い”として復活したガンダルフと合流し、メリーとピピンの無事を聞いたアラゴルンたちは、エドラスへ向かい、そこでセオデンをサルマンの支配から救いだす。サルマンの大軍が迫っていることを聞かされたセオデンは、民を率いて難攻不落のヘルム峡谷にある角笛城を目指すことに。この間には、セオドレドの埋葬シーンでエオメルの妹エオウィン(ミランダ・オットー)が哀悼の歌を歌うシーン、アラゴルンが暴れるセオドレドの馬ブレゴをエルフ語でなだめるシーンが加えられている。
援軍を求めに行ったガンダルフと別れ、アラゴルンとレゴラス、ギムリはローハンの人々とともに角笛城へ向かう。その途中で、シチューを作ったエオウィンがそれを配り歩くシーンが登場する。しかし、どうやら味はいまいちなようで、ギムリには断られ、シチューを口に運んだアラゴルンも思わず動きが止まってしまう。この時のアラゴルンとエオウィンの会話から、彼がドゥネダインという長命が約束されたヌメノール人の末裔で年齢が87歳であり、エオウィンの祖父センゲルとともに戦に出ていたことも語られている。
ボロミアの弟、ファラミアの登場
モルドールを目指すフロドたちは、ボロミアの弟であるファラミア(デビッド・ウェンハム)率いる一団に捕まり、モルドールとの戦闘が行われているオスギリアスへ連行される。ここでは、ファラミアが川を流れるボロミアの亡骸を見つけ、兄が愛用していた角笛を手に彼との思い出を回想する姿を新たに確認できる。オスギリアスをモルドールから奪還し、大勢の兵士を前に勝利の演説をするボロミア。ファラミアや仲間たちとビールで祝杯を挙げているところへ、兄弟の父で執政のデネソール(ジョン・ノーブル)が現れ、ボロミアに対し、裂け谷へ行き指輪を持ち帰るように指示している。第一部で指輪の魔力に屈してしまうボロミアだが、この未公開シーンで、彼が民から慕われている姿や、弟との絆も描かれ、よりキャラクターが掘り下げられている。
戦いに勝利し、旅は続く
ガンダルフやエオメルの援軍で角笛城の合戦に勝利し、サルマンがいるアイゼンガルドも木の髭らエントの活躍で陥落。フロドたちはファラミアの心を動かし、モルドールへ向かうことを許される。第ニ部のラストに向けても様々な未公開シーンが追加されている。
レゴラスとギムリが討ち取った敵兵の数を申告し合い、メリーとピピンは水没したアイゼンガルドでサルマンの貯蔵庫を発見し、パイプ草を味わうなど和やかなシーンも登場。ファラミアに抜け道まで案内されたフロドたちは、彼から励ましの言葉をもらっている。また、ゴラムが危険な道へ向かおうとしていること知り、ファラミアが彼の首をつかんで「二人になにかあったら、ただでは済まさない」と忠告するシーンも確認できる。
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発売・販売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント