現代家族の在り方を問う「連続ドラマW 坂の途中の家」の観るべきポイント!【レコメンW】
レコメンド1 母と娘の愛憎劇
今回レコメンドを担当する「DVD&動画配信でーた」編集部の杉原は、「原作が角田光代さんと聞いて、とても興味を持ちました。映像化された『紙の月』『八日目の蝉』を観ているのですが、角田光代さんの作品は登場人物たちの心理描写が繊細で、人間関係もリアルに描かれる。本作も主人公の里沙子と、夫の陽一郎や彼の両親との何気ない日常が描かれますが、どこの家庭でも見るようなやり取りの中で、子育てに悩む里沙子に放つ心ない一言には、胸が痛くなりました。特に里沙子の実の母親が強烈でした」と語る。そんな杉原が、共通する魅力を感じる海外ドラマとして挙げたのが、「シャープ・オブジェクト KIZU-傷-:連続少女猟奇殺人事件」だ。
「このドラマは、デヴィッド・フィンチャー監督作『ゴーン・ガール』の原作者ギリアン・フリンのデビュー作で、女性記者が過去のトラウマと闘いながら連続少女殺人事件を追うサスペンスです。事件の真実に迫る一方で、ヒロインの心の闇も明かされていくのですが、そこが『連続ドラマW 坂の途中の家』を彷彿とさせます」。主演は、数々のヒット作で知られるハリウッド女優エイミー・アダムス。「シャープ・オブジェクト~」では、独裁的で過保護な母親に育てられ、トラウマを引きずることになったという役どころだ。
「『連続ドラマW 坂の途中の家』でも里沙子が価値観を押し付ける母親に育てられたことが、彼女が抱える心の闇と関係しています。彼女の実母役を高畑淳子さんが演じていますが、ハマり役です。結婚してもなお、娘を支配しようとする毒親ぶりには恐怖を覚えました。娘を思っているからこその言動なのですが、それが原因で里沙子の母親への憎悪は膨らみ、さらに自分を見失っていく。愛憎入り乱れた母娘の関係に引き込まれました」。
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