現代家族の在り方を問う「連続ドラマW 坂の途中の家」の観るべきポイント!【レコメンW】
レコメンド2 裁判の裏側に焦点を当てた法廷劇
見どころの2つ目は、裁判員制度に焦点を当てた法廷劇だということだ。無作為に選ばれた一般人が、育児疲れの果てに母親が起こした虐待死事件を裁く。裁判員の顔ぶれは補充裁判員である里沙子をはじめ、子育てが終わった初老の男性や女性、独身男性もいれば、家族を抱えるサラリーマンなどさまざま。そんな彼らが、被告の夫や義母、実母、夫の元恋人の口から語られる事実を検証して被告人の水穂を裁く。
「公判後に、裁判官たちと別室に集まった裁判員たちがその日聞いた証言からそれぞれ感じた印象を話すのですが、往年の名法廷劇『十二人の怒れる男』を思い出しましたね。法廷で証言を聞いた裁判員それぞれで共感したり拒絶したり、被告人やその家族の印象が異なっているのがとてもリアルでした。裁判の裏側が見えて、すごく興味深かったです」。
そんな裁判の舞台裏を題材にしている点で、杉原が推したのが海外ドラマ「BULL/ブル 心を操る天才」。天才心理学者のブルがさまざまなジャンルのプロを率い、独自の裁判科学で無実の被告を救う。アメリカで実在する訴訟アナリストをモデルにした異色の法廷劇だ。「陪審員裁判は人の印象が大きく判決に左右しますが、『連続ドラマW 坂の途中の家』でも、証人の証言や事件への向き合い方で里沙子をはじめ、裁判員たちの被告に対する心象が変わっていく過程が描かれる。裁判員制度の難しさはもちろん、そもそも人が人を裁くことの難しさも考えさせられます」。
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実力派女優たちが体現する女性の苦悩
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