スーパーマンからホームズへ、ヘンリー・カヴィルが語る“カルチャー・アイコン”を演じる秘訣
名探偵シャーロック・ホームズの十代の妹が、兄に劣らぬ名推理を披露する痛快エンタテインメント『エノーラ・ホームズの事件簿』。Netflix映画として独占配信中の本作では、「ストレンジャー・シングス 未知の世界」のミリー・ボビー・ブラウンが快活な主人公を演じ、好評を得ている。
一方で、見逃せないのが、シャーロックを演じたヘンリー・カヴィル。『マン・オブ・スティール』(13)などのスーパーマンや、『コードネーム U.N.C.L.E.』(15)のナポレオン・ソロなど、これまで頻繁に有名カルチャー・アイコンを演じてきた彼だが、今回のシャーロック役には、どんな心構えで臨んだのか?MOVIE WALKER PRESSでは、ヘンリーにインタビューを敢行した。
――これまで多くの俳優がシャーロック・ホームズというキャラクターを演じてきましたが、演じるうえでどんな点に気を配られましたか?
「撮影中にもっとも心がけたのは、エノーラにとって、つまりミリーにとっての脇役になることだ。この映画はミリーのストーリーであり、エノーラのストーリーなんだ。自分のすること全てが確実に彼女のサポートになるように努めたよ。感情面の表現に関しても、すべてそこに行き着く。それ以外は、シャーロックだからといって特別に違ったことをしたり目立ったりしようとはしなかったんだ。
何十年にもわたり、俳優によって演じられてきたシャーロックのなかには、本当にすばらしいものがあったけれど、それらと違ったことをしてやろうという意識はなかった。なので、これまでのシャーロック俳優の演技を研究したり、そのキャラクターを勉強したりはしていない。ただシャーロックの内面に注目して、ミリーにとってできる限り最高の脇役を演じようとしたんだよ」
――ミリーも「すばらしく、いままでとは驚くほど違うシャーロックだった」と絶賛し、シャーロックの優しくて脆い面も表現していたと語っていましたが、どうして本作ではシャーロックの優しい面を見せようと思われたのでしょうか?
「結局のところ、それも本作がシャーロックの映画ではなく、エノーラの映画だから、だね。シャーロックが心を開き、2人の間に共通点を持たせる事が重要だと感じたんだ。ハリー・ブラッドビア監督とは、この部分に関して、かなり話し合いを重ねた。監督はキャラクターの性格だけではなく、私の性格も熟慮して、その2つの要素を合わせたんだ。
シャーロックとエノーラがシンパシーを感じていることが、この映画のなかでは適切だし、それによってエノーラは本来の彼女らしくいられることができるんだ。エノーラの個性が本当の意味で“開花する”うえで、シャーロックは重要な役割を担う。
もしもシャーロックがもっと冷たく、より従来のような伝統的なキャラクターだとしたら、エノーラとのつながりを持つのは難しかったと思うよ」
――シャーロックは偏屈で風変わりなイメージが強く、観客としてはどうしてもそういったイメージを持ってしまいがちですが、シャーロックの別の側面を探すのは難しかったでしょうか?
「いままでにないシャーロックとはいえ、私が演じた彼もやはり頑固者で、その点では伝統的なシャーロックと変わりない。決意の固い人で、風変わりでもある。そんななかでも彼はエノーラと心がつながっている、というのが重要な点だ。注目したのはその部分で、シャーロックの頑固なところはそのままだけれど、この作品では彼の内面のより深い部分を見る事ができるんだ」