イライジャ・ウッドのホラー愛が爆発！我が道を行く製作会社として注目のスペクターヴィジョンを知っているか？
最新作『ダニエル』もやっぱり激ヤバだった…！
そんなスペクターヴィジョンの最新作が、2月5日より公開中の『ダニエル』。ティム・ロビンスとスーザン・サランドンの息子マイルズ・ロビンスと、アーノルド・シュワルツェネッガーの息子パトリック・シュワルツェネガーという豪華二世俳優の共演も話題の本作は、心に闇を抱える大学生の主人公の前に、幼いころの“イマジナリーフレンド”が現れたことで予想外の事態が巻き起こっていくサイコスリラーだ。
両親の離婚により孤独な幼少期を過ごしていたルーク。唯一の心の支えは空想上の親友ダニエルだったが、ある出来事をきっかけに彼を封印してしまう。時は経ち、大学生となったルークは内気な性格ゆえに友人がおらず、加えて悪化する母の精神疾患に気を揉んでいたことから、ダニエルの封印を解くことに。彼のアドバイスのおかげで恋人もでき、充実した時間を過ごすようになるルークだったが、しだいにダニエルが暴走していき…。
封印を解く前のルークが乗っている電車の窓にさりげなくダニエルと思しき人物の姿が映っていたり、現実が歪曲するようなルークの感覚を強烈な色づかいで表したりと、これまでの作品で印象的だった不穏な映像表現は本作でも健在だ。
さらに冒頭から血まみれの死体が登場し、体の断面がスパッとなるようなグロテスクな表現も含まれているなど、スペクターヴィジョンらしいホラー描写も容赦なし。そしてなにより、予想を大きく裏切るカオスな展開はさすがとしかいいようがなく、期待以上の仕上りとなっている。
強烈な映像美とホラー愛、そして型にはまらない奇抜な作品を生みだし注目を集めているスペクターヴィジョン。まだ彼らが作る作品を観たことがないという人は、そのエッセンスが存分に盛り込まれた『ダニエル』で、その世界観を味見してみては？
文/武藤龍太郎
Blu-ray 発売中
価格：4,800円+税
発売・販売元：株式会社ファインフィルムズ
