あの人気ドラマや往年の名作も!3人のドラマ・ウォッチャーが語る“連ドラ”の楽しみ方
「1本の映画より深く、シリーズものよりタイトに物語を楽しめる」(久保田)
――2020年の連ドラでは、TBSの日曜劇場枠のドラマが好調でした。1月期の「テセウスの船」、7月期の「半沢直樹」などの高視聴率ドラマはチェックしていましたか。
戸部田「はい。特に『半沢直樹』は、2013年放送の前作をどう超えるのか興味がありました。今回はまるで自分たちで〝本気でパロディ・コントをつくっちゃった〞という感じのつくり方をしていて、すごいなと思いましたね」
久保田「僕はリアルタイムで観られないことが多くて…。そういう場合は、あとから配信でチェックするようにしています」
かわむら「高視聴率のドラマは全部観ています。そのドラマのどのあたりが支持されているのか、人気を博している理由やモードが気になるので。観ると、やっぱりおもしろいものが多いと感じました」
――連ドラを観る際に、脚本家、出演者、放送枠、物語などもっとも重視しているところは?
戸部田「さまざまな要素から複合的に観ますが、一番は脚本家ですね。次に出演者、物語とチェックしています。脚本家だと野木亜紀子さん、昔から好きな小林靖子さんの作品は気になりますね」
久保田「僕も脚本家から。昔から北川悦吏子さんが好きなので、今期脚本を担当されている『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』も観ています」
かわむら「私は出演者、脚本家という順で総合的に観ています。私も北川さんの作品は気になるので『ウチカレ』もチェック中。ほかに徳永友一さんなど、気になる脚本家の作品は観る前から期待も募りますし、ドラマが観たくなる一つの要素にもなりますね」
――昨年の連ドラのなかで、おもしろいドラマを選ぶとしたら?
戸部田「『MIU404』と『妖怪シェアハウス』ですね。どちらも共通して、社会問題とエンタメをちょうどいいバランスで描いていた印象です」
久保田「まず『アンサング・シンデレラ』。調剤室での人物の動きが見事に描けていて、掘り出し物でした。もうひとつは『ルパンの娘』です。娯楽に突き抜けつつ、原作の要素も拾いながらスケールを拡げて映画につなげる。よく考えられている作品でした」
かわむら「『連続テレビ小説 エール』です。作曲家の古関裕而さんがモデルで、最終回はコンサートだったことも画期的で印象深いです。もうひとつは『半沢直樹』。派生企画の朗読劇も観ましたが、おもしろかったですね」
――では注目している俳優は?
戸部田「小芝風花さん。このところ出演するドラマが全部良い」
久保田「以前から期待している泉澤祐希さんと、岡崎紗絵さんにそろそろブレイクしないかと。あとジャニーズでは、今期のドラマに出演しているSexy Zoneの菊池風磨さんと佐藤勝利さんに大いに期待しています」
かわむら「私は伊藤沙莉さん。昨年放送の『いいね!光源氏くん』の等身大のヒロイン役も良かった。注目する俳優の役を楽しむのもドラマの良さです」
「日本のテレビドラマは価値観のアップデートが早いのかも」(戸部田)
――連ドラの魅力はなんでしょう?
戸部田「やっぱり、生活の一部になるので〝だんだん愛着がわいてくる〞ところが、連ドラの一番の魅力ですよね。出演する役者もどんどん好きになるし、ドラマにも見入っていきます」
久保田「1本の映画より深く、シリーズものの映画よりタイトに物語を楽しめることですね。それに途中から観始めても、おもしろかったら配信でさかのぼることができる。今はフレキシブルに観ることができて、よりドラマを楽しめる時代になったと感じます」
かわむら「連ドラは次回放送が毎週心待ちになりますし、日々を彩ってくれるところが魅力的です」
戸部田「あと、日本のテレビドラマは他のジャンルに比べて進んでいる気がします。プロデューサーや脚本家に女性が多く、エンタメ業界的にも社会的にも珍しい。価値観のアップデートが早いのかもしれません」
――では連ドラへ期待する点は?
戸部田「コロナ禍だと、例えばドラマ内で実際にマスクをするかは別にして、精神的なものを踏まえないとリアリティのレベルが下がりますよね。そんな価値観をアップデートさせたものを期待しています」
久保田「基本的には、おもしろい作品をつくってくれればいいかなと。あとは演者さんや脚本も含めて、無理しないで制作してほしい」
かわむら「昨年は放送延期などもありましたが、なんとか視聴者側へドラマを届ける意気込みも感じました。今後も時代に敏感になりながら、さまざまな連ドラが放送されることを期待しています」
文・構成/かわむらあみり
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