佐藤勝利＆上田竜也らが挑む“どんでん返し”だらけの世界！WOWOWオリジナルドラマ「世にも奇妙な君物語」の3つのポイント

オムニバスドラマの魅力が全開！掟破りの最終話

佐藤と同じく、これがWOWOWのオリジナルドラマ初出演となる上田。彼が主演を務める第5話「脇役バトルロワイアル」は、かつて活躍していながらもいつの間にか脇役に転落した落ち目の俳優が、再起をかけて大物演出家のオーディションに挑むという物語。様々な“脇役あるある”を通して、“主人公”とはどうあるべきかを主人公が見出していくコメディでありながら、フィクションとノンフィクションの垣根を超えた斬新な世界観。そこに絶妙にマッチする上田の秘められたスターパワーとどこか三枚目なイメージが笑いを誘い、最後には予測不可能な“大どんでん返し”が待ち受けるという大胆不敵さ。

本作のようなオムニバスドラマのメリットのひとつとして、それぞれのエピソードが完全に独立しているため、どこか1話を見逃してしまっても問題なく続きを楽しめるということが挙げられる。もちろんこの第5話も、奇想天外な発想の数々で独立したおもしろさを有しているが、それまでの4つのエピソードを観ておけばさらにそのおもしろさは倍増する。それはまさに朝井作品の特徴のひとつとして挙げた複数の登場人物の視点が活かされていることでもあり、連続ドラマとして観ると最終回にふさわしい仕掛けであると感じることができよう。きっと改めて第1話から観直したくなること請け合いだ。

何気ない会話や、登場人物たちの行動ひとつひとつに、結末へとつながる巧妙な伏線が張り巡らされている本作。これはサスペンスなのかコメディなのか、はたまたファンタジーなのか。あらゆるジャンルがごちゃ混ぜにされた奇妙な世界と、朝井作品ならではの語り口、そして豪華俳優陣のアンサンブルを思う存分堪能してみてはいかがだろうか。


文/久保田 和馬