原作愛あふれる書店員も絶賛!『漁港の肉子ちゃん』西加奈子ワールドに泣き笑い
「最初は、実写じゃなくてアニメ?と思いましたが、アニメーションで大正解だと思いました。原作を読むたび、肉子ちゃんはいつか小説から飛び出してきそうだなと思っていたので、ついに飛び出したんだなと感慨深かったです」。刊行当時から熱烈な原作ファンでもある書店員の樋口麻衣氏は、顔をほころばせてそう語る。
直木賞作家である西加奈子による累計発行部数35万部のベストセラー小説「漁港の肉子ちゃん」。文芸雑誌「パピルス」で連載され、2011年に書籍として刊行された本作は、いまなお世代を超えた多くの読者の心を捉え続けている。この物語に惚れ込んだ読者の一人であり、「本作をぜひ映像に残したい」と考えた明石家さんまは、5年前に映像化のオファーを西加奈子に打診。自ら企画とプロデュースを務める形でアニメ映画化した『漁港の肉子ちゃん』が、6月11日(金)に公開される。
西加奈子の小説は、『きいろいゾウ』(13)、『円卓 こっこ、ひと夏のイマジン』(14)、『まく子』(19)、『さくら』(20)と、これまでに4作が実写映画化されているが、アニメ映画化は今回が初めて。「親子の愛や母の愛だけでなく、自分の周りにいてくれる人からの愛というものを、この映画から強く感じました」。そんな、原作ファンの書店員からも太鼓判の映画『漁港の肉子ちゃん』を紐解いていく。
原作の魅力を忠実に表現!肉子ちゃんとキクコの関係にグッとくる
食いしん坊で能天気な肉子ちゃんは、情にあつくて惚れっぽいため、すぐ男にだまされる。一方、クールでしっかり者な小学5年生のキクりんことキクコは、多感なお年ごろで、そんな母のことが最近ちょっと恥ずかしい。漁港の船に住むワケあり母娘の秘密が明らかになる時、2人に奇跡が訪れる。
自身の働く書店で、小説「漁港の肉子ちゃん」への熱い想いをギュッと詰め込んだ手書きPOPを置き、Twitterで紹介するなど、原作への愛が深い樋口さんは、原作を最初に読んだ時「肉子ちゃんもキクりんも、登場人物みんな大好き!というのが一番の感想でした」と語る。「肉子ちゃんは、キクりんを大好きなところとか、前向きなところとか、全部好きです。キクりんは小学生なのにすごくしっかりしていて、肉子ちゃんに冷静なツッコミをするところが好きです。私も、子どもの頃から物事を冷静に見ていて、心の中で周りにツッコんだりしていたので、キクりんの気持ちがよくわかります(笑)」。
「小説自体がすごくおもしろくて笑える作品なので、それを明石家さんまさんが企画・プロデュースすると、どれくらいおもしろくなるのかと期待していました。最初にアニメ化と聞いた時はあまりイメージがわかなかったのですが、完成した映画を観たら、小説を読んだ時に頭のなかで思い描いていたとおりで、肉子ちゃんもキクりんも、すごくしっくりきました」。
とにかく“大きい”肉子ちゃんがスクリーンから飛び出す!
多くのマンガ原作が映像化されるなか、本作のように活字だけで書かれた小説をアニメ化するケースは珍しい。「小説の肉子ちゃんは、いろんな意味で、なにもかも“大きい”という印象。アニメでは肉子ちゃんがどれくらいの大きさで描かれるんだろうとか、どういうしゃべり方をするんだろうと想像していましたが、こんなに大きいのか!と思っていたよりも大きかったですね(笑)。私は原作を何回も読んでいて、読むたびに、肉子ちゃんはいつか小説から飛び出してきそうだなと思っていたので、ついに飛び出したんだなと感慨深かったです」。
ぽってりと太っている肉子ちゃんは、その体型ゆえ、一つ一つの動作がやたらと大きい。肉子ちゃんの日常のアクションそのものの描写も、アニメならではの魅力の一つだ。「小説の中でも、肉子ちゃんはすごく動いていたんですけど、映画ではもっと動きます!肉子ちゃんの動きがいちいちおもしろすぎて、だからこそ、そんな肉子ちゃんに対するキクりんの冷静さがいっそう際立っていました」。
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