父、大暴走!古田新太にニコラス・ケイジ…演技派たちの“強烈すぎる父親”映画、集めました
息子との時間を奪われた父のせつなすぎる暴走…『ラスト・パニッシャー』
ボスの身代わりとして殺人の罪を被った男が、出所後、一人息子と過ごすはずだった時間を奪われたことに激怒し、裏切り者たちを成敗していくニコラス・ケイジ主演の『ラスト・パニッシャー』(19)。
犯罪組織の頭の代わりに刑務所に入ることになったフランク(ケイジ)は、19年の刑期を務め終えたものの、致死性の不眠症を患い幾ばくの余命。出所後は、過去を取り戻すべく、息子ジョーイ(ノア・ル・グロ)と平穏な時を過ごしていたが、同時に貴重な時間を奪った裏切り者への復讐も忘れていなかった。
息子から復讐を止められ苦悩するも、どうしても怒りを鎮められずリベンジに走ってしまう。そんな父親の情けなくも切実なエモーションが込められているフランクのキャラクター。そんな彼が物語のラストで知ることになる衝撃的な事実はとにかくせつない。狂気と哀愁の両方を体現できるケイジだからこそのハマり役となっている。
時空を超える父親の究極の愛…『インターステラー』
クリストファー・ノーラン監督による宇宙を舞台にしたSF『インターステラー』(14)は、壮大な宇宙を舞台にしていながらも、普遍的な親子の愛情がテーマとなっている作品だ。
砂嵐が頻発するため農作物が育たなくなり、人類が滅亡の危機に瀕する近未来の地球。元宇宙飛行士のクーパー(マシュー・マコノヒー)は、幼い娘のマーフ(マッケンジー・フォイ)が反対するなか、人類が住むことができる惑星を見つけるという、帰ってこられる保証のないミッションに挑むことになる。
愛する娘とともに世界が滅亡するのを待つのか?娘のために未来を探しだすという可能性に賭けるのか?父親にとって究極ともいえる選択が強いられるなか、自らを犠牲にしてでも娘の未来を選ぶクーパー。時空を超え人類の未来を変えていく、究極の愛には号泣必至だ。
家族から軽んじられるどこにでもいそうな父親…『Mr.ノーバディ』
そして最後に紹介するのは、公開中の『Mr.ノーバディ』。「ブレイキング・バッド」で知られるボブ・オデンカークが主演を務める本作は、子どもや妻から失望されている冴えない一家の父親が、実はめちゃめちゃ強い男だったというアクションだ。
バスで家と職場を行き来する平凡な男ハッチ(オデンカーク)は、家に強盗に入られるも反撃しなかったことで家族から失望されてしまう。職場でも家でも軽んじられる理不尽な日常にストレスを溜めこんだハッチは、ふとバスでチンピラと出くわした際にその怒りを爆発させ彼らをボコボコにし、それを契機にロシアのマフィアからも命をねらわれてしまう。
バス停でちょこんとバスを待っていたりと、ナメられてもしかたない情けない父親像がハマりすぎている一方、犯罪者たちを壊滅させていく姿とのギャップは凄まじく、カタルシス抜群!家をマフィアに強襲された時の頼りになる男ぶりには、家族も惚れ直してしまったはずだ。
人間的な父親からフィクションならではのインパクト大な父親まで、個性豊かな父親像が味わえるこれらの作品。父の日をきっかけに、家族でチェックしてみてはいかが?
文/サンクレイオ翼
※吉田恵輔の吉は「つちよし」が正式表記