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「全裸監督 シーズン2」“歌舞伎町ロケ”を実現させた、制作者と地域の信頼とは?撮影秘話を徹底鼎談!

インタビュー

「全裸監督 シーズン2」“歌舞伎町ロケ”を実現させた、制作者と地域の信頼とは?撮影秘話を徹底鼎談!

「私たちの仕事は制作者と地域の方々の橋渡し的な立場になる」(高橋美香)

――再開後は、具体的にどのあたりで撮影されたのでしょうか?

菅谷「まず、西内まりやさんが演じたサヤカのマンションですが、あれは歌舞伎町2丁目の四季の路のそばにある実際のマンションで撮影されました」

高橋「新宿ゴールデン街や吉本興業さんがある通りのもっと奥ですね」

菅谷「そのマンションで満島真之介さん演じるトシとサヤカが会話をしていたり、サヤカの母親の茂子が絡むシーンなどの撮影がありました」

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遠藤「このマンションでは上の階の部屋も借り、装飾を施したその部屋から、サヤカが帰っていくトシを見つめるというカットも撮っていました」

菅谷「あのシーンの撮影が、実はすごく大変だったんですよ!」

高橋「そうだったんですか?」

菅谷「ちょうどハロウィンの直前だったので、仮装したホストの人たちがいっぱい歩いていて…。ただでさえ車がたくさん通る場所だったこともあり、ホストの人や車を止めなければいけなかったんです」

遠藤「『全裸監督 シーズン2』は90年代の話なので、当時の衣装や髪型をした大勢のエキストラを配置して撮影していたんです。そこに現代のホストや車が入ってきたらマズいので、本番の時だけちょっと協力してもらいました」

暴力団や警察がいっせいになだれ込むなど物騒なシーンが撮影された新宿歌舞伎町
暴力団や警察がいっせいになだれ込むなど物騒なシーンが撮影された新宿歌舞伎町[c]TLB

――トシとサヤカが、古谷伊織組長(國村隼)がマシンガンで襲撃に遭うクラブから逃げだしてくるあのビルの外観はどこですか?

菅谷「風林会館(歌舞伎町のアミューズメントビル)の裏ですね」

遠藤「あのSAISONビル(歌舞伎町2丁目付近)の横の撮影は、大がかりだったから大変でした」

菅谷「ここは完全に通行止めにしましたね」

遠藤「劇用のパトカーを入れなければいけなかったし、暴力団や警官がいっせいに押しかけてきて大騒動になるシーンだったので、ここも地元の理解が不可欠でした」

菅谷「サヤカの手を引いて外に出てきたトシが、リリー・フランキーさん演じる刑事の武井に『頼むから見逃してくれ!』と言って逃げる重要なシーンなのですが、彼らの奥にはパトカーがないといけないし、その劇用車を入れるためにはどうしても道路を封鎖する必要があったんです」

パトカーを路地に入れるため、道路が封鎖された
パトカーを路地に入れるため、道路が封鎖された[c]TLB

高橋「私たちの仕事は制作者と地域の方々との橋渡し的な立場になるわけですが、私の前任者は『地元の方々にどんな説明をしたらいいんだろう?』と悩まれたみたいです。しかし、制作サイドの“セットでは表現できないリアリティを持った作品にしたい”という強い想いを伝えたら、歌舞伎町商店街振興組合の皆さまも了承してくださり、問題もなく進んでいったそうです」

遠藤「最初は、前任の高橋さんも困ったと思います」

高橋「そこは新宿観光振興協会が商店街振興組合さんと普段からお付き合いしていたことと、制作者の熱意や作品の力が大きかったというのがあると思います」

遠藤「コロナで人出が減少していたのもある意味運が良かったですね」

菅谷「警察もまず地域の理解が得られているのかどうか、というところをすごく重要視するし、それによって道路使用許可が出るか出ないかが決まることもあるので、新宿観光振興協会さんにご協力いただき、地固めをしていただいたのは大きいです。本当に重要な役割を担っていただいたと思います」

「新宿観光振興協会が地元の方と普段からお付き合いしていたことと、作品の力が大きかった」と説明する髙橋美香
「新宿観光振興協会が地元の方と普段からお付き合いしていたことと、作品の力が大きかった」と説明する髙橋美香

「本当の事件や事故だと勘違いされないよう、制作の人たちに“これは撮影です”というボードを持って立ってもらった」(菅谷まゆ)

――そのSAISONビル前の撮影は時間がかかったのではないですか?

遠藤「そうですね。でも、撮影の間ずっと道路を封鎖していたわけではないですよ。そもそも新宿署に最初に話を持って行った時は、『歌舞伎町のど真ん中での撮影を許可するわけにはいかない』と言われてしまって…。警察は、パトカーの劇用車を公道に入れたり、そこでパトランプを回すのをすごく嫌がるんです。混乱を招きますから」


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菅谷「本当の事件や事故だと思って、通報してしまう人や警察に問い合わせる人もいるので、私たちも普段から気を遣って、そういう現場では制作の人たちに“これは撮影です”とわかるものを用意してもらうようにお願いしています」

遠藤「あの時は警視庁本部の方のアドバイスに従って、撮影プランを組みました。制作部がその道の交通量や人の数を細かくリサーチし、その動きが最も少ない時間に撮影を絞り込みました。更に、日曜から月曜の朝にかけては深夜営業のお店の多くが閉まっているので、そこで撮影しようという計画を立てたんです。もちろん撮影中に車両が入ってきたらどうやってさばくのか?といったことまでプランニングして、そのうえで新宿署にもう一度、『一般の方の通行が少ないこの数時間だけ、撮影のために道路を封鎖させてください』というお願いに行きました」

“撮影中”のボードを持つスタッフ
“撮影中”のボードを持つスタッフ[c]TLB

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