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「全裸監督 シーズン2」“歌舞伎町ロケ”を実現させた、制作者と地域の信頼とは?撮影秘話を徹底鼎談!

インタビュー

「全裸監督 シーズン2」“歌舞伎町ロケ”を実現させた、制作者と地域の信頼とは?撮影秘話を徹底鼎談!

「きちんと手順を踏んで、許可通りに撮影しているということを少しずつ証明していく必要がある」(菅谷まゆ)

――以前よりは撮影の許可を取りやすくなったと言われましたが、それでも東京23区はほかのエリアよりガードが堅いですか?

遠藤「人が多い場所ですし、ロケ撮影に対するある種の“アレルギー”があるのだと思います。映画やドラマだけではなく、いまは配信作品やYouTubeの動画まで、四六時中いろんなところで撮影をしているし、道路や公共の場所の使用許可を取らずにカメラを回している人たちも多いから、その場所を管理している人たちはすごく警戒しています」

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菅谷「先ほどの思い出横丁さんじゃないですけど、嫌な経験を一度してしまうと“ロケ撮影”という行為そのものに対して拒否反応を起こしてしまう。実際にそういうケースが多いので、そこを東京ロケーションボックスや各地のフィルムコミッションが地域の方々と協力し、きちんと手順を踏んで、許可通りに撮影しているということを少しずつ証明していく必要があるんです。撮影状況の改善も私たちの役割だと思うので、今回の『全裸監督 シーズン2』もそのような気持ちで臨みました」

遠藤「そういう意味では、新宿は我々との相互理解も進んでいるし、うまく回り始めているような気がします。いまでは、歌舞伎町商店街振興組合さんから『歌舞伎町のPRのためにどんどんやってほしい』というお話もいただけるぐらいの関係になってきています。それは東京ロケーションボックスがこれまでやってきたことの結果でもあるし、今回の『全裸監督 シーズン2』の功績でもあると思います」

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菅谷「許可を取らずに撮影したり、地域に歓迎されない行為がずっとマイナスのイメージとしてつきまとっていたんですよね」

遠藤「たぶんその人たちは、交渉もせず、どうせ撮影許可は下りないからと勝手に決めつけ、ビルの中から歌舞伎町を歩いてくる人物を撮ったりしていたと思うんです。たしかにそういう工夫しながら撮る方法もあるでしょうけど、ただ逃げているだけでは状況は変わらない。正面から地元の警察やその地域の方々にぶつかって行って、ちゃんと理解を得ていくことが大切だと思います」

菅谷「撮影現場で熱が入ると、監督や制作の方々もやり過ぎちゃう時がたまにあると思います。地域の方と交わしていたルールを破りそうになる瞬間もあるので、私たちはなるべく現場にいて、その時にストップをかけなければいけない。そういう冷静な判断ができる人間が立ち会っているだけでも、警察や地域の方のご理解を得られやすくなるような気がします」

高橋「やっぱり、立ち会うってことが大事なんですね」


現代の新宿や渋谷が、劇中ではどのように90年代の様相に変化しているのか?
現代の新宿や渋谷が、劇中ではどのように90年代の様相に変化しているのか?[c]TLB

「新宿を楽しんでいただくきっかけになったらうれしいです」(高橋美香)

――最後に、「全裸監督 シーズン2」の皆さんのオススメポイントを教えてください。

高橋「新宿観光振興協会としては、劇中の歌舞伎町や角筈ガードなどの撮影スポットを見て、“この90年代の雰囲気をどうやって出したのかな?”と想像しながら新宿を実際に訪れてもらい、見比べていただきたいです。『全裸監督 シーズン2』が、新宿を楽しんでいただくきっかけになったらうれしいですね」

菅谷「風林会館もその裏のSAISONビルも装飾で作り込んではいるけれど、実際にある建物なので、ロケ地巡りをしていただくとおもしろいと思います。撮影では90年代の歌舞伎町を表現するためにゴミやタバコの吸殻をぶちまけて汚したんですけど、いまはすごく綺麗で、ゴミはあまり落ちていない。劇中の昔の歌舞伎町といまの歌舞伎町とを比較しながら、町の変化も感じてもらいたいですね」

遠藤「最初の話に戻りますけど、今回はロケにこだわったし、そのロケ自体に『全裸監督 シーズン2』の世界観が出ていると思うので、僕はそこに注目していただけたらうれしいです」

「全裸監督 シーズン2」の撮影に尽力した、(左から)東京ロケーションボックスの菅谷まゆと遠藤肇、新宿観光振興協会の髙橋美香
「全裸監督 シーズン2」の撮影に尽力した、(左から)東京ロケーションボックスの菅谷まゆと遠藤肇、新宿観光振興協会の髙橋美香

取材・文/イソガイマサト

※高橋美香の「高」は「はしごだか」が正式表記


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