冷たくされると燃えあがる!?恋に生きる美女妖怪・雪女【妖怪大図鑑】
勇者に選ばれた少年と個性豊かな妖怪たちが巨大な“妖怪獣”に立ち向かう、大人から子どもまでドキドキしながら楽しめる、夏休みにぴったりの映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』が8月13日(金)から公開。この連載「妖怪大図鑑」では、本編に登場する妖怪&人間たちを一挙に紹介。映画の予習にはもちろん、映画を観たあとに気になったキャラクターのトリビアまで丸わかり。ちょっとコワくて、どこか憎めない、お気に入りの妖怪を探してみよう!
『妖怪大戦争 ガーディアンズ』は、伝説の妖怪ハンターの血を引く気の弱い小学生、渡辺ケイ(寺田心)が廃校の神社で赤いおみくじを引いたことから始まる物語。フォッサマグナから現れた巨大な“妖怪獣”を倒すため、勇者を待ち望む妖怪たちの世界へ導かれていくケイが冒険のなかで出会うのは、見た目も個性も様々な妖怪たち。ケイと妖怪たちは妖怪獣に対抗するため、最終兵器“大魔神”を復活させることに。
第12回:恋に生きる美女妖怪・雪女
今回紹介する雪女は、寒い雪の日に現れ、出会った人間を凍らせてしまう美しい妖怪。呼称やその妖力については地方によって様々な言い伝えがあり、なかには産女と類似したようなものも。その正体についても地方によりけりで、雪の精や行き倒れた女の霊、はたまた天上世界から舞い降りてきたという説もある。小泉八雲の「怪談」をはじめいくつもの物語で描かれており、大映製作の怪談映画『怪談雪女郎』(68)では藤村志保が好演。仏師の青年に恋をし、やがて子を授かり、文字通り身を削りながら尽くす様は人間とほぼ変わらない。
大島優子が真っ白なメイクで演じている本作では、日本妖怪の一員として口数少ないながらも鮮烈な印象を残す。ワイルドな隠神刑部に想いを寄せ、冷たくされればされるほど恋心を燃やす。そしてほかの妖怪たちと離れ、隠神刑部に付きまとうようにして行動を共にすることに。吐く息はただ冷たいだけでなく様々な便利機能を備えており、世界妖怪会議<ヤミット>では妖怪獣のホログラムを浮かび上がらせたり、隠神刑部に命じられればケイたちの様子を映しだすモニター代わりに。
雪女は妖怪たちの策を阻止しようとする隠神刑部の仲間になってしまうのか?『妖怪大戦争 ガーディアンズ』は、雪女の淡い恋心のゆくえからも目が離せない!
文/久保田 和馬