ウォーレン夫妻の活躍や呪いの人形、アナベルの起源にも迫る…「死霊館ユニバース」をプレイバック
「ソウ」シリーズでハリウッドの第一線に登場し、その後もホラー&スリラーを中心にヒット作を連発しているジェームズ・ワン。彼が2013年に発表した心霊ホラーが『死霊館』だ。古びた館に巣食った悪魔と心霊研究家の争いを描いた本作は、本国はもちろんワールドワイドに大ヒットを記録。シリーズ化のほかスピンオフなど関連作が続々と製作され、ホラーシリーズとしては類のない「死霊館ユニバース」を形成した。
実際に起こった事件に基づいたリアルなテイスト
『死霊館』が支持を集めた大きな理由が、実話をベースにしたリアルなテイスト。主人公で霊能力者のロレインと夫エドのウォーレン夫妻は1950年代より活躍した実在の心霊研究家で、脚色されてはいるが映画で描かれた出来事は事実に基づいている。
映画のストーリーはシリアス。依頼を受けたウォーレン夫妻が、現場を調べ、原因を突き止め、準備を整え邪悪な存在に立ち向かう様が丁寧に描かれる。エクソシズム=悪魔祓いと言えば十字架と信仰心というイメージもあるが、本作はそこに至るまでの展開に力を入れているのがミソ。残酷描写や派手な描写は抑え気味で、純粋に怖さや不気味な空気感で勝負しているところにワンの本気度が伺える。
夫婦の絆で恐怖に立ち向かう魅力的なウォーレン夫妻のキャラクター
ウォーレン夫妻のキャラクターも魅力的だ。彼らは豊富な知識や強い信仰心を持っているだけでなく、常に互いを信頼し尊重し合う夫婦。ウィットに富んだ会話や、時間の許す限り家族と一緒の時間を過ごす血の通った人間像が、戦慄の物語の中で拠りどころになっている。
「死霊館ユニバース」を構成しているのは、ウォーレン夫妻が事件に挑む実話ベースの「死霊館」シリーズ、実在する邪悪な人形アナベルにまつわる「アナベル」シリーズ、そして伝承をベースにした『ラ・ヨローナ~泣く女~』(18)などのスピンオフ。作品ごとに時代背景が違うため、公開順やシリーズごとに観るほか、時間軸で追いかけても楽しめる作りになっている。
そんなユニバースの第8弾にして、ウォーレン夫妻の新たな活躍を描く『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』が現在公開中。そこで、「死霊館」シリーズはもちろん、ユニバース全体を振り返っていきたい。