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歴代「007」シリーズのご機嫌なガジェット、水陸両用ボンドカーや腕時計、ヘンテコアイテムまで

コラム

歴代「007」シリーズのご機嫌なガジェット、水陸両用ボンドカーや腕時計、ヘンテコアイテムまで

嫌いになれないヘンテコガジェットたち

雨に反応して持ち主の首元に鉤爪が襲い掛かる傘など、使い勝手の悪すぎなアイテムを開発しているQ課(『ユア・アイズ・オンリー』)
雨に反応して持ち主の首元に鉤爪が襲い掛かる傘など、使い勝手の悪すぎなアイテムを開発しているQ課(『ユア・アイズ・オンリー』)[c] United Artists/courtesy Everett Collection

さりげないアイテムの一方で、突拍子のないアイテムたちも魅力的なこのシリーズ。ボンドがQから研究所で武器の説明を受ける時に、周囲で開発中のアイテムたちが試用されているというのもお決まりで、バグパイプと見せかけた銃や突如としてエアバッグのようなものが膨らみ人を圧迫する電話ボックスなど、それどこで使うのよ?と思わずツッコミたくなるようなアイテムが一瞬登場し、笑いをもたらしてくれた。

Q課での開発中のヘンテコアイテムはシリーズの定番となっている(『ゴールデンアイ』)
Q課での開発中のヘンテコアイテムはシリーズの定番となっている(『ゴールデンアイ』)[c] United Artists/courtesy Everett Collection

話の本筋とは関係ないところでいうと『007/ゴールドフィンガー』(64)の冒頭では、鳥に見せかけながら水中を移動することができるという、カモが頭上についたシュノーケルといったアイテムが登場。この動物シリーズは、ほかにもあり『007/消されたライセンス』(89)では、敵の海洋施設潜り込むためにエイにカモフラージュできるマントを背負って潜水しまんまと敵を騙すことに成功。『007/美しき獲物たち』(85)では犬型ロボット、その名も“スヌーパー”なんてものまで登場した。

この動物シリーズで特にインパクト抜群だったのが、ロジャー・ムーア版の中でも特にコメディ色が強い『007/オクトパシー』(83)でのワニ型潜水艇だ。謎の女性オクトパシーが住む屋敷に潜入する際に乗り込むものだが、何ともハリボテ感のあるチープな見た目とワニの口を大きく開くとボンドが丸見えになってしまう隙のあるデザインは強烈。

小型ジェット機アクロスターなど、面白ガジェット満載の『オクトパシー』
小型ジェット機アクロスターなど、面白ガジェット満載の『オクトパシー』[c] MGM/ Courtesy: Everett Collection.


ちなみに、このワニ型潜水艇は同じく『オクトパシー』で登場した小型ジェット機アクロスターとともに、Q課研究所に保管されている様子が『007/ダイ・アナザー・デイ』(02)で確認でき、愛されガジェットとして高い人気を誇っている。

ボンドカーをはじめとするユニークな乗り物たち

アストン・マーティン初登場となった『ゴールドフィンガー』
アストン・マーティン初登場となった『ゴールドフィンガー』写真:EVERETT/アフロ

そして「007」シリーズのガジェットを語る上で外せないのが、やはりボンドカーの数々だ。『ゴールドフィンガー』で初登場したアストン・マーティンDB5は、ボタンひとつで座席が空中に飛びだすイジェクトシートや、せり出し式の防弾装甲、フロントライトから飛びだす機関銃、敵を惑わすための煙幕やスリップさせるオイルなど、とにかく装備が満載でド派手!

最新作『ノー・タイム・トゥ・ダイ』にアストン・マーティンDB5も、フロントライトからの機関銃や煙幕、マキビシ爆弾などギミック満載で、『ゴールドフィンガー』を思わせるような快活さを感じることができた。

海に入ると潜水艦に変わるというロマンあふれるボンドカーだった『私を愛したスパイ』
海に入ると潜水艦に変わるというロマンあふれるボンドカーだった『私を愛したスパイ』写真:EVERETT/アフロ

『007/私を愛したスパイ』(77)でのボンドカー、ロータス・エスプリは、さらに進化しており、ナンバープレートから目くらましのセメントを発射するなんて小技を繰り出しつつの、何と海の中に入ると潜水艇に変形するという大技を隠し持った最高に景気の良いボンドカーだった。

『ダイ・アナザー・デイ』での透明になる機能まで備えた究極のボンドカー
『ダイ・アナザー・デイ』での透明になる機能まで備えた究極のボンドカー[c] MGM/courtesy Everett Collection


そして極め付けは、『007/ダイ・アナザー・デイ』でのアストン・マーティンV12ヴァンキッシュ。マシンガンはもちろん、ミサイル、迎撃システムまで搭載。そして何よりも光学迷彩によって透明になってしまう(!)という、行くとこまで行ってしまった最高なボンドカーだった。

乗り物でいえば、先述のアクロスターや、『サンダーボール作戦』冒頭のジェットパック、『007/ムーンレイカー』でのホバーボートと化す水陸両用ゴンドラ、『ワールド・イズ・ノット・イナフ』の潜水もできて陸地を走れるボートなども見応え抜群だった。

『黄金銃を持つ男』のスカラマンガなど、敵たちも魅力的なガジェットを使用している
『黄金銃を持つ男』のスカラマンガなど、敵たちも魅力的なガジェットを使用している写真:EVERETT/アフロ

後ろにチラッと見えるのが、住民たちが「ドラゴンだ」と騒ぎ立てた敵の戦車(『ドクター・ノオ』)
後ろにチラッと見えるのが、住民たちが「ドラゴンだ」と騒ぎ立てた敵の戦車(『ドクター・ノオ』)写真:EVERETT/アフロ

敵キャラサイドにも個性豊かな武器や乗り物のオンパレード。ライターや万年筆などの部品を組み立て式で、弾も1発しか入らないというところに美学を覚える『007/黄金銃を持つ男』(74)の黄金銃や、1作目『007/ドクター・ノオ』(62)では、地元民にドラゴンだとウワサされていたものの実際は張りぼて調ドラゴン型だった(!?)戦車など、ロマンとユーモア溢れるガジェットだらけの「007」シリーズ。最新作を機に、過去作も見直して、その世界観を楽しんでほしい!

文/サンクレイオ翼


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