「トワイライト」に『ウォールフラワー』、『カオス・ウォーキング』まで!心の葛藤を描く「ヤングアダルト小説」が原作の映画たち
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2022年1月7日公開)が控えるトム・ホランドと、「スターウォーズ」続三部作の主演を務め一気にスターダムに駆け上がったデイジー・リドリーという、ホットな若手俳優が共演するSFアドベンチャー『カオス・ウォーキング』(公開中)。本作の原作は、「〈混沌(カオス)の叫び〉」三部作として出版された作家、パトリック・ネスによる、いわゆる「ヤングアダルト小説」だ。このジャンルは、ティーンを中心とした“若い大人”たち向けに書かれたもので、学園もの、SF、恋愛、ミステリー、冒険譚などジャンルは多岐にわたり、「続きが気になる!」と読み手を引き付ける語り口が大きな魅力。そんなヤングアダルト小説を基にした映画には大勢が夢中になれる名作ぞろい。ということで、最新作の『カオス・ウォーキング』を含め、印象的な6作品を紹介したい。
人間とヴァンパイアの禁断の恋を描く「トワイライト」シリーズ
クリステン・スチュワートとロバート・パティンソンの出世作としても知られる「トワイライト」シリーズ(08~12)は、このジャンルの代表格。人間とヴァンパイアの禁断の恋を描き、10代の女性たちを中心に絶大な人気を博した。原作は本国アメリカで大ベストセラーとなり、その勢いは「ハリー・ポッター」シリーズにも迫るほど。霧深い小さな町で出会う、影をまとった孤独な女子高生と危険な香りの漂う美しき吸血鬼。そこへワイルドな人狼の横恋慕などが加わり、スリリングに物語が展開していく。ファンタジックでダークなラブストーリーに思う存分酔いしれたい作品だ。
多感な若者たちの心模様を瑞々しく映像化した『ウォールフラワー』
「ライ麦畑でつかまえて」の再来と言われたジュブナイル小説を基にした『ウォールフラワー』(12)は、心に傷を抱えたボッチ男子高校生が主人公だ。小説家志望の彼が、“はぐれ者たち”を自称する兄妹と知り合い、初めての仲間との友情や恋を経験していく。監督を務めたのは、原作者であるスティーヴン・チョボスキー本人。エマ・ワトソン演じる奔放なヒロインがお気に入りの曲で踊る場面や、ローガン・ラーマン扮する主人公の痛ましい過去がフラッシュバックする描写など、多感な若者たちの心模様が瑞々しく映像化されている。ちなみに、11月26日(金)から公開されるチョボスキー監督の最新作『ディア・エヴァン・ハンセン』は、今作に通ずる感動的な学園ドラマが展開するミュージカル作品。こちらもぜひチェックしてほしい。
デス・ゲームに参加することになった少女の不屈の精神を映しだす「ハンガー・ゲーム」シリーズ
ジェニファー・ローレンス主演の「ハンガー・ゲーム」シリーズ(12~14)は、少年少女たちの残酷なサバイバルゲームを描くアクション。ホラーの帝王スティーヴン・キングが、原作の中毒性を称賛したほど、ハマリ度の高い作品だ。未成年たちの殺し合いがショービズ化した近未来で、幼い妹の代わりにゲームに参加することになった貧困層の少女が、不屈の精神で生き抜く姿を映しだす。主人公のカットニスは、弓矢を武器に望まぬ戦いを強いられる一方で、ショーアップされた前夜祭では煌びやかなドレスで笑顔を振りまくことを強要される。どんな局面でもくじけないタフなヒロインを応援したくなるはずだ!